ワシントン・ポスト紙に掲載されたUSCCの報告書によると、中国は米国の人工衛星を破壊したり、その活動を困難にする様々な種類の兵器を開発している。報告書の中では、次のように述べられている‐
「中国は、宇宙空間における自国の攻撃力を高めている。そこには、対衛星攻撃(ASAT)ミサイル、軌道対衛星システム、衛星を妨害するための地上設備、エネルギー兵器が含まれている。また中国は宇宙空間で、自国の核兵器を使用することもできる」。なお中国側は今のところ、USCCの報告書についてコメントしていない。
USCCの報告書によると、中国は低軌道および高軌道で人工衛星を破壊するためのミサイル2種類を開発している。うち一つはSC-19ミサイルで、同ミサイルは2007年1月に初めて発射され、中国の老朽化した気象衛星の破壊に成功した。なお宇宙空間には、この破壊された気象衛星の破片が約3000個も漂った。中国はその後、米国や一連の国々の激しい反応を恐れ、自国の対衛星プログラム開発に関する情報を秘密にした。
専門家たちによると、中国が開発している人工衛星は、敵の人工衛星に近づき、そのシステムをレーザー兵器で麻痺させ、破壊あるいはロボットを使って捕捉することができるという。
2008年、中国の商業衛星が国際宇宙ステーション(ISS)に接近した。なおこれについては事前に通知されていなかった。米国は、これは人工衛星を攻撃する可能性についてのテストだったとして、中国を非難した。
2008年、中国の商業衛星が国際宇宙ステーション(ISS)に接近した。なおこれについては事前に通知されていなかった。米国は、これは人工衛星を攻撃する可能性についてのテストだったとして、中国を非難した。
USCCは、中国人民解放軍は、対衛星兵器の使用を、核兵器の使用と同じくらい重要だと考えている、と主張している。報告書では、「中国人民解放軍は、米国の地球規模における機動的な活動にとって、衛星システムは極めて重要な意味を持っていると考えている」と指摘されている。