ロシア人専門家「中国軍の大改革に何を期待すべきか?」

© Sputnik / Ramil Sitdikovロシア人専門家「中国軍の大改革に何を期待すべきか?」
ロシア人専門家「中国軍の大改革に何を期待すべきか?」 - Sputnik 日本
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9月3日、北京で行われた抗日戦争及び第二次世界大戦終結70周年を祝う軍事パレードに際して、習近平国家主席は、中国人民解放軍の兵員を30万人削減すると発表した。

これについてロシア戦略・テクノロジー分析センターのエキスパート、ワシーリイ・カシン氏は「兵員の削減など、中国の軍改革のほんの小さな一部でしかない。中国人民解放軍は、改革により、その戦闘能力と技術レベルを高めることになる」とコメントした。

カシン氏が「中国軍の近代化はどのように進んでいくか」についてラジオ・スプートニクのために特別に寄せてくれた論文の内容を以下、皆さんに御紹介したい。

中国の軍縮イニシアチブ、専門家らはどう見る - Sputnik 日本
中国の軍縮イニシアチブ、専門家らはどう見る
「現在、テクノロジーは、中国の軍事力を左右する主要なファクターであることを止めた。ここ15年間、中国人民解放軍は、その装備において巨大な飛躍を遂げているからだ。組織や戦術、軍人達の訓練及び補充が、今や新しい技術的レベルや新時代の課題に一致していない、追い付けないことが、軍の主な制約となっている。世界第二の経済力と世界最大の貿易高を誇る現在の国の状態が、新しい課題を示しているのだ。あれだけの大国であれば、死活的に重要な利益はグローバルなものとなる。

中国にとって、ソ連邦崩壊の時点から、深刻な陸の軍事的脅威は存在していない。ロシアとの関係が万一悪化したしても、中国を攻撃するに十分な数の陸軍力を、新生ロシアが形成できるとは思えない。またインドと陸上での紛争が起きたとしても、到達困難なヒマラヤ辺境の山岳地帯でのことだ。そこで基本的役割を果たすのは、空軍やロケット軍、山岳地帯での行動を特別に学んだ多様な特務部隊である。そしてその他の、中国と陸続きの隣国は、軍事的に中国には太刀打ちできない小国ばかりだ。従って、人民解放軍が、これまでと同じ数の陸軍部隊を維持する事は意味がない。今や基本的な注意は、海軍や空軍に割かれる必要がある。

「北京でのパレードは、日本政府や、まして日本国民に向けられたものではない」 - Sputnik 日本
「北京でのパレードは、日本政府や、まして日本国民に向けられたものではない」
そうしたことから、中国が生き残れるかどうかは現在、海上での自分達の利益を保証する能力があるかどうかにかかっている。つまり、陸軍の抜本的削減を続けながら、余った力を空軍や海軍、宇宙軍に振り向ける事が不可避である。中国人民解放軍が、陸軍であり、艦隊や航空隊が、かなり補助的な役割をしていた時代に作られた指揮系統は、変えなければならない。

抗日戦勝70周年の大掛かりな軍事パレード、それに先立って行われた中国軍指導部のかなりの入れ替え、さらには大々的な一連の反汚職キャンペーンは、中国の指導者である習近平氏が大規模な改革を行うために必要不可欠な政治的資本を与えるに違いない。しかし、政治的に好ましい条件下であっても、軍改革の完全な実現には、長い時間と努力が求められるだろう。」

 

 

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