協定の鍵を握る項目「規制領域での協力」は、不快感を抑えられないものだが、実際これは、企業は、自分達が妥当だと思うすべてのことができることを意味する。企業は、ルールの作成に参加できるし、もしその結果の何かが気に入らなければ、自分達の利益に合うよう、その変更に影響を及ぼすことが可能だ。
英国の組織「グローバル・ジェスティス・ナウ」の報告書の中では、米国との合意が、安全領域でのルール採択を遅らせ、その結果、欧州に、環境的観点から見て有害な製品が流れ込んでくる恐れがある、と憂慮している。
同組織の活動家ガイ・テイラー氏は、.RTの取材に対し、次のように述べている―
「米国では、EUで禁止されている事の多くが実践されている。例えば、鶏肉が、塩素系漂白剤により洗浄されている。もし協定が調印されたら、EU内にも、そうしたやり方が入ってきてしまう。TTIPの交渉は、秘密裏に行われており、それゆえ我々には、その諸条件が知らされないのだ。しかし、これまでの環大西洋間の貿易合意やビジネス行動上の経験から、我々は、こうした協定から何を期待できるかを予測できる。我々の予想が当たらずに、この協定が我々を安心させるとは信じがたい。我々は、協定締結阻止の決意でいっぱいだ。」
またTTIPに反対する人々は、いったん入ってしまうと、EU圏もそうであるように、法律上、そこから離脱することができないこと、そのためのしかるべきメカニズムが存在しないこと、を指摘している。