離散家族再会事業の実施については先に南北のハイレベル交渉で合意が達成された。2000年に実施された南北サミット以後、両者は19回にわたり再会イベントを組織し、半世紀ぶりの家族再会を実現させてきた。この間再会の機会にめぐまれたのは2万人とされる。韓国在住者の6万8000人が北朝鮮側に親族を持ち、多くが1953年以降、再会できていない。朝鮮戦争は停戦合意によって停止しているだけで、平和条約によって終結しているわけではない。正式には北朝鮮と韓国は今なお戦争状態なのである。南北に別れ住む家族同士、行き来することも、手紙を交換することも、電話で話すことも、インターネットで通信することもできないのが現状だ。離散家族の再会イベントが最後に行われたのは2014年2月だった。
国連のパン・ギムン事務総長は、北朝鮮がこうしたイベントを実施していることを歓迎し、イベントが定期的に行われることへの期待感を示した。事務総長によれば、こうした人道措置は政治や安全保障とは別問題として定期的に実施されなければならない。