クルト・グラウリッヒ特任捜査官は4ヶ月かけてNSAがドイツ連邦情報局に依頼した諜報行為の対象者リストを研究した。具体的には、検索および追跡用のキーワードのリストが調査された。
シュピーゲル・オンラインによれば、グラウリッヒ氏は300ページにも及ぶ膨大なファイルを分析した。NSAは3万9000件ものキーワードで網を張っていた。結果、NSAの諜報の標的の大半(7割)が欧州諸国の政府機関であることが分かった。
企業では、欧州各国の航空・国防コンツェルン、EADSおよび「ユーロコプター」(現在はエアバス傘下)が対象となっていた。
NSAとドイツ連邦情報局の協力関係は透明なものではなく、後者はプロセスを管理できていなかった。
諜報の標的の多くについて、NSAはいわゆる合意覚書に違反していた。2002年に調印されたこの秘密合意では、米独相互の国民に対する諜報は禁止されていた。
非公式レベルでは、NSAに対して諜報対象の違法な選択に関する説明を求める試みもなされているものの、米国側は何らの反応も示していない。
2015年初頭、ドイツ連邦情報局は南部にある自らの諜報基地「バッド・アイブリング」を通じて、NSAの諜報対象数千件に対する諜報を行なった。10月中旬、ドイツ連邦情報局の過去が明らかにになった。同局はEUおよび米国の大使館その他機関に大規模な諜報を行なっていたのだ。中にはたとえば在マリフランス大使館、在インド英国大使館、米国の諸大使館などが含まれていた。
来週木曜、クルト・ガウリッヒ氏はNSAの諜報に関する捜査報告書を発表する。