スウェーデン入りを目指す難民の数を減らす狙い。工作に当たっているのは「スウェーデン民主派」「スウェーデン女性」「スウェーデン人民」といった民族主義団体である。
広告には「スウェーデンへようこそ」との添え書きとともに、一列に並んだマットレス、トイレットペーパー、歯ブラシという、無味乾燥な光景が描かれている。
裏面には、制御不能な移民流入でスウェーデンは荒廃し、今や「約束の地」としてのかつての面影はない、強姦件数は世界第2位であり、移民のための働き口も住居もない、今後とも一夫多妻制や強制結婚が採用される見込みはなく、また、スウェーデンではハラール、ヒジャーブ、パランジュは禁止されている、などと記されている。
案の定、事態を重く見た政府系のスウェーデン紙がすぐさま反応、「この宣伝は嘘だ」と怒りを爆発させた。たしかに広告は著しく誇張されていた。しかし事実無根でもなかった。スウェーデンはたしかに先週、もはや難民のための住居を新たに必要数建設できる状態にはなく、一部の難民にテントキャンプへの入居を提案できる程度であり、外部から金銭的その他の支援を強く必要としている、と発表した。ここ数ヶ月、既存の、または建設中の難民収容施設が定期的に焼き討ちされているのも事実である。しかも、人が入ったままの建物が放火されることもしばしばある。
スウェーデン紙は姑息な宣伝工作を非難し、こうした活動を一般のスウェーデン国民は支持していない、と断定している。同紙は国民の怒りの声として、「私はスウェーデン国民だ。私はこのようなことを断じて認めない」との言葉を紹介している。そのコメントを寄せた人物は、モハメド・ムアイドという名前。この人物が一体いつからこの移民問題で引き裂かれた国の国民になったものか、全く明らかではない。