米国のPR専門家ロン・トロシャン氏が「Observer」上で公開された論文で述べている。
「周囲で進行している出来事を見れば、米国にはあまり旧ソ連と対峙する準備がない、ということが分かる。米国がチェッカーをプレイしている一方で、マキャベリ的天才はチェスをプレイしている」とトロシャン氏。
同氏によれば、「プーチン大統領のPRマシーンは全行程にわたって米国のプロパガンダマシーンの先を行っており、米国メディアや一般米国人に働きかけている」。ロシアのメディアが自らの視点を大衆に宣伝することにより、ロシアの立場が少しずつ、米国のイラク、シリア、ウクライナ政策に対する米国人の考えに影響を及ぼしはじめている。
トロシャン氏によれば、プーチン氏周辺のPR専門家はSNSやミームといった分野にいたるまで、インターネットを巧みに活用している。「半裸で馬にまたがるプーチン大統領の写真を見たことがない人などいなかろう。この写真がインターネット・ミームとなった。強くて、権威ある人間というイメージだ。これは、サウジアラビアのアブダラ国王に深く頭を下げ、『ママの』ジーンズで自転車を乗り回し、いたるところで米国の行動を詫びながら世界を旅するオバマ大統領が頼りなく、あまり賢そうに見えないことと好対照だ」
「プーチン氏が巧みに世界のマスメディアを利用し、結果として3年連続でフォーブス誌の『最も影響力ある指導者』に選ばれたことは、単純にして、否定しようのない事実だ。プーチン大統領はしたいことを堂々として、罰されることがない。オバマ大統領はサーベルをがちゃつかせるだけだが、一方のロシアは戦車や戦闘機を送り込んでいる。米国の王様は裸だが、プーチン大統領は半裸で馬を乗り回している」とトロシャン氏。