委員会のトップには、前々から意欲を表明している稲田朋美政調会長ではなく、リベラル派として知られる谷垣禎一幹事長を据える方向で調整が進んでいるという。また、結果の取りまとめは行わず議論・研究のみを行うなど、諸外国への配慮が透けて見える。
これに関連し、海外メディアの取材を多く受けているのが、「史実を世界に発信する会」事務局長の茂木弘道氏だ。民間団体「史実を世界に発信する会」は、日本の名誉を守ることを活動の柱とし、日本の主張を英語で世界に発信するため「英文Web資料館」を構築している。このWeb資料館の中には数々の英訳された資料があり、誰でも閲覧・ダウンロードすることができる。
自民党の歴史検証委員会設置報道を受け、東京裁判に関する文書の注目度が高まっている。史実を世界に発信する会では、東京裁判の判決書「パル判決書」を英訳し、資料館で公開している。インドから派遣されたパル判事は、平和に対する罪と人道に対する罪とが事後法にあたるとして、被告は全員無罪であると主張した。
茂木事務局長「パル判事だけが、東京裁判の裁判官の中で唯一の国際法の専門家です。我々はこの700ページにもわたる判決書を翻訳しサイトに掲載しました。それ以外に小堀 桂一郎編「東京裁判・日本の弁明」と渡部昇一著「『パル判決書』の真実」も全訳し、掲載しています。もちろん東京裁判については色々な人が論じていますが、それを英文にして主張するという活動はほとんど行われておらず、私たちの組織ではそれに取り組んでいます。」
自民党からの、歴史検証委員への就任依頼はなかったのか、自民党から協力依頼があれば応じるか、というスプートニクの質問に対し、茂木事務局長は「そのような依頼は我々のところには来ていないし、自民党とは関係なく活動している。しかし、もし協力の依頼があれば、もちろん応じるつもりだ」と述べている。