経済、外交政策上にはあまり良好ではない要因があったにもかかわらず、MAKS2015での契約、合意額は3500億ルーブル(50億ドル以上)を超えた。参加者、訪問者数は40万4千人。
世界最大級の航空宇宙展示会としてのMAKS2015の高いステータスはそれに加わるロシア内外の主導的企業の積極度に裏付けられる。MAKS2015を組織した株式会社「アヴィアサロン」のニコライ・ザネギン副代表取締役はラジオ「スプートニク」からのインタビューに次のように語っている。
「我々は注意深く外国のマスコミをモニタリングしているが、外国のマスコミはどこもMAKS2015を肯定的に評価している。私たちにとって、そして私個人にとってもこれは予想外だった。なぜなら航空サロンは対露制裁という条件下で行われていたからだ。今年航空サロンにはロシアのほか30カ国が参加した。(2013年の参加は46カ国だった。)だが今回参加しなかったのは小規模の企業だけで、実際は主要なプレーヤーは全て残っている。
制裁という条件下で私たちが失ったのは2国のパートナーだ。ひとつはウクライナで、MAKSにはいつも70あまりの企業が参加していた。もう1国はイスラエルだ。イスラエルが消えた原因はロシアがイランとの間にS300の供給契約を結んだからだ。その結果、イスラエルはMAKS参加を取り消した。
ウクライナ、イスラエルが去った後は他の企業が穴を埋めた。たとえば中国の参加は今までの3倍に増えた。これは非常にシリアスな数値だ。MAKSのようなレベルの航空サロンでは1つの国が参加枠を20-30%拡大しただけでも深刻な事態であるのに、中国は300%の拡大を行ったのだから。
このほかこれまでの航空サロンと比較し、イランの参加は数も製品の質も今までとは全く異なるものとなった。イランの展示空間もやはりほぼ3倍に拡大した。イランの展示は2つのパビリオンにまたいで行われ、これによって作業にとって格段に快適な条件が生まれた。
大体においてイランがこれだけ長くMAKSに参加しているというのは異例のことだ。イランはすでに20年にわたって常に航空サロンに参加してきている。このほか1993年、MAKSを創設し始めた頃、(展示会場のある)ジュコフスキー市の空港にイランから航空機が飛んできた。その航空機は文字どおりイランの高官らですし詰めになっていた。そしてこの伝統は制裁があろうと、二国間関係が後退しようと関わらず、毎年繰り返されている。
イランがブースを出しているサロンをあなたは国際航空宇宙サロンと呼べるだろうか? 私はチリなど中立国だと思うのだが、チリでさえFIDAEサロンの開幕前日に米国の要請でブースを閉鎖している。私たちは逆にあらゆる規範、標準を遵守してイラン代表およびその製品をサロンへ招き入れている。」