以下、キャラミ准教授の意見を皆さんに御紹介する-
「私の見るところ、プーチン大統領の今回のテヘラン訪問の主要な成果は、まず、イラン・ロシア関係に信頼の雰囲気を作った事だ。双方は、世界及び地域の容易でない政治的諸条件の中で、互いへの信頼を示した。そうした考え方が、プーチン大統領とイラン最高指導者であるハメネイ師との会談で示された事は重要だ。
そして今回の訪問の、もう一つ重要なモチーフは、具体的な合意という形での協力に向けた双方の政治的意志が示された事だ。経済及び貿易、科学技術に関する共同プロジェクトについて、それが言える。
さらに第三点として指摘したいのは、イランとロシアが、シリア危機調整の枠内での協同行動継続について、その意志を確認した事だ。ロシアもイランも、この問題を平和的手段によって解決し、国際テロ組織との戦いにおける努力を調整する考えである。
そして今回の訪問の、もう一つ重要なモチーフは、具体的な合意という形での協力に向けた双方の政治的意志が示された事だ。経済及び貿易、科学技術に関する共同プロジェクトについて、それが言える。
さらに第三点として指摘したいのは、イランとロシアが、シリア危機調整の枠内での協同行動継続について、その意志を確認した事だ。ロシアもイランも、この問題を平和的手段によって解決し、国際テロ組織との戦いにおける努力を調整する考えである。
これら3つの要素が、イラン・ロシア関係発展の戦略を形作っている。
プーチン大統領のイラン訪問はまた、政治的名声という観点からも重要に思われる。かつて行われたメドヴェージェフ氏の訪問は、ロシア・イラン関係に新たな刺激を与えなかったが、プーチン氏は、イラン指導部と交渉し、あらゆる主要な政治プレーヤーとの相互行動が、ロシアにとって重要である事を確認した。この主要な政治プレーヤーには、当然イランも入っている。全く同じことは、ロウハニ内閣ラインについても言える。ロシアのような近しい同盟国、パートナー国との温かい関係が構築できなければ、自分達が宣言した周囲の世界との対話という戦略実現は不可能だ。
今、我々は、ロシアとイランは、戦略的パートナーであると実際に言う事ができる。これは、別に新しい事ではない。なぜなら我々には、ここ20年ほどの間、安全保障領域での協同行動の豊かな経験があるからだ。1992年から1996年のタジキスタン内戦での国内の安定を目指す戦いで、我々は協力しあったし、同様の協力を、1997年から2001年の『タリバン』との戦いでも行った。当時、この過激派勢力は、アフガニスタンの権力の座についていた。さらにここ4年間について言えば、我々は、シリアで共にテロリストらに対し戦っている。これら中東や中近東、さらにはコーカサス、カスピ海沿岸におけるロシアとイランの協力により、イラン及びロシア政府は、戦略的地政学的同盟国であると言ってよいだろう。もちろん、安全保障を巡る協力における両国の潜在的力には、さらに幅広いものがある。今後それが、地域の平和と安定のために利用されるよう、期待したい。」