キョク議員は、両国関係の危機は深刻であると指摘し、「トルコが今実施している外交政策は、与党・公正発展党(AKP)が当初、統治の支柱としていた近隣諸国との『ゼロ・プロブレム外交』の概念とは全く関係のないものとなっている」と述べた。
トルコ南西部アンタルヤ出身のキョク氏は、ロシア機スホイ24がトルコに撃墜された事件の影響について、露土関係の緊張はトルコに非常に深刻な打撃を与え、特にアンタルヤが大きな影響を受けたと指摘し、次のように語ったー
「アンタルヤ県は農業と観光の首都だと考えられている。1週間弱の間にアンタルヤのクムルジャという一つの地区の輸出大企業が受けた損失だけでも800万ドルとなった。これはトラック600台分の農産品で、これらは一時的に倉庫で保管されることを余儀なくされた。もちろんこの農産品は傷み、商品として使い物にならなくなるだろう。またメルシン港でも、大量の品物が留め置かれている。アンタルヤの経済にとって2つ目の主要部門は観光だ。最近アンタルヤへ訪れるロシア人観光客が増え、その数はトップのドイツ人観光客とほぼ並んだ。しかし残念なことに、いま観光分野で働く人たちは、露土関係の現状によって、2016年の観光シーズンはまだ始まってもいないのに終わりを告げる恐れがあると危惧している」。
キョク氏は、トルコ政府は観光セクターや農業分野の輸出業者の代表者たちと会い、関係省庁と一緒に危機を早急に解決するための「ロードマップ」を策定する必要があると指摘している。キョク氏は、次のように語ったー
「今回起こったことは、ハイレベルにおけるトルコ側の間違った行動だったと私は考えている。私たちの友好国であるロシアとの関係を壊すことは許されない。ロシアは私たちの隣国であり、ロシアと私たちを結びつけているのは、ハイレベルの貿易額や、エネルギーや観光分野における発展した関係だ」。