ロシアの展示ブースでは、新たに事業を立ち上げた科学学術企業を対象にしたコンクール「ジェネレーション-S」で高い評価を得たプロジェクトの数々が紹介されている。
スプートニク日本のアンナ・オラロワ記者は、国際ロボット展(iREX 2015)について、この展示会に参加しているロシア企業RVK(ロシアン・ベンチャー・カンパニーの略)のイノベーション市場部門の責任者、グリナル・ビックロフ氏に電話インタビューした。
ビックロフ氏は、次のように答えてくれた-
「展示会で今話し合われているコンセプトは、ユニバーサル・ソサエティ(Universal Society)というものです。展示会参加者達は『我々の生活にロボットをインテグレートさせてゆくには、そしてロボットが人間を助けてゆくにはどうすべきか?』という問いに対する答えを見つけようと試みています。ロボットを、産業用にも、日常生活用にも共に使うバリエーションが検討されているのです。今東京で討議されているビッグ・プロジェクトは、2020年に開催されるオリンピックですが、ここで日本をいかにアピールするかについて、多くの意見が出されています。おそらく日本は、ロボット部門での最新技術や開発成果を、オリンピックの場で世界に示す事になるでしょう。」
次にスプートニク日本記者は「他の問題の中でも、iREXの参加者達は、未来社会や非常事態下でのロボット利用のコンセプト作りを試みているが、ロシアのロボット技術は、そうしたコンセプトに応える事ができるのかどうか」聞いてみた。
ビックロフ氏は、次のように答えてくれた-
他には「プロモボット」というプロジェクトもあります。これは、混雑した場所で行く道を探す手伝いをしたり、質問に答えたり、人間の感情に働きかける事の出来るサービスロボットです。今回の展示会では『プロモボット』のライバルとなるロボットが、かなりたくさん出品されていますが、価格とプロジェクトに統合されている開発数から見て、ロシアのロボットには競争力があります。この事は、人間の顔を認証する技術や人工知能、対話する相手の感情に反応する能力を持つロボットについても言えます。
さらにロシアからは今回、非常に興味深いロボット『エニーウォーカー』も出品されています。これは、移動を可能にするロボット関節メカニズムで、もし大部分のロボットにそうした技術が取りつけられるようになれば、革命的な変化が起こるでしょう。これを用いればどんな環境でも移動し、ドアを開け、階段を上り下りし、敷居など、様々なバリアを克服できるロボットヘルパーを作ることが出来ます。
このようにロシアの企業は、国際的な大型プロジェクトに統合できる潜在量を持っています。今回の展示会の枠内で、協力に向けた数々の興味深い合意ができるよう私は期待しています。」
国際ロボット展. (iREX)にロシアの代表団が参加したのは、今回が初めてだ。ロシア代表団は、日本や世界各国の大手企業の代表者と数多くの実務会合を予定している。なぜなら「ジェネレーション-S」プロジェクトの課題の一つは、ロシア企業が国際的なコンタクトを確立するのを助ける事にあるからだ。将来的にロシアは、iREXの枠内で組織される国際会議や円卓会議に参加して行きたいと考えている。