日本、米国との同盟で北極海上の氷山となる

© 写真 : Sergey Anisimov, http://www.mamm-mdf.ru/北極
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日米は北極調査で協力を深める。島尻安伊子・科学技術政策担当大臣が発表した。まずは人工衛星、船舶、地上基地による観測、調査を共同実施することで合意が得られたという。

安倍首相は日本の北極に関する基本戦略として、日本は北極に関する世界のプロセスにおいて主導的役割を演じていく意向だ、と述べた。地球温暖化で極地の氷が融け、国際社会は新たな課題に直面しており、それは日本の国益にも深くかかわるのだという。

米国務省 北極におけるロシアのプレゼンス強化は正当なもの - Sputnik 日本
米国務省 北極におけるロシアのプレゼンス強化は正当なもの
近い将来、北極が、地政学上の争いの新たな焦点となるかもしれない。北極には世界の未発見のガス埋蔵量の30%がある、と見られている。しかし北極評議会に参加していない日本が、北極に何のかかわりを持っているというのか?なぜ米国とともに北極で日本の国益を追求する必要があるのか?高等経済学院のアンドレイ・フェシュン氏は次のように述べている。

「一番簡単で、中立的な答えはこうだ。北極はたしかに有用資源に富んでいる。しかし日本が何より惹きつけられているのは、北極航路だ。これは欧州の消費者に日本の製品を届ける時間を大幅に短縮するものだ。スエズ運河を通るより40%も早く両地域を結ぶというのだ。しかも、北極航路の営業はほぼ通年である。北極で重要なプレイヤーとなるには、日本は何をしたらよいか?一人では何もできない。日本に何らかの経験があるのか?答えはほぼ常にノーだ。よって、安倍氏の発言は、なかなかに大胆なのだ。しかし日本と米国のタッグとなると、事情は全く違ってくる」

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漂流ステーション「北極2015」
そして日本は、遅れを取ることをおそれている。北極の今後、そしてゲームのルールを策定する場である北極評議会に、中韓はいちはやく参加を申請した。日本もこれを看過できない。日本も漏れなく北極に関心を持っているのである。そのことは日本政府の最近の動きにも示されている。何しろ将来の北極大国は、必要とあらば武力を用いてでも利益を追求する姿勢なのだ。例えばロシアは、特別な北極戦力を準備している。日本としては、北極開発をめぐって、誰と同盟を組むかということが問題なのである。しかし、基本的には、古くからの米国との戦略的同盟ということが優位にくる。再びフェシュン氏。

「日本はおそらく、今後も米国の忠実な同盟国として動くだろう。北極でもしかりだ。少なくとも中国との対立において、米国の支援が見込めるように。ところで北極は、ロシアと米国の国益がぶつかる、非常に深刻な戦場となるかもしれない。日本は、地理的観点からは、この戦場においては全く中間的な国だ。そのため、日本政府による、北極における国益をめぐる声明は、きわめて興味深い。なんのために?日本はこのケースにおいて、世界のあらゆる場所に国益を見る米国の例に倣っているのだろうか。しかしおそらくは、日本が今なにより恐れている、米国が中国との対立において日本を見捨てるということ、それを危惧して、米国を支持しているだけなのだろう」

専門家らによれば、北極をめぐるグローバル規模の戦いは、非常に深刻なものとなり得る。環北極諸国が策定している北極開発計画、北極への排他的経済水域設置計画の中に、それはすでに明らかに見て取れる。

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