露印演習インドラ・ネイヴィは多くの点で「海上協力」に似ているが、規模ははるかに小さい。露中演習と同じように、対テロ行動の旗印の下、両海軍は海上の様々な軍事的脅威に対抗する共通の可能性を探る。外国の海軍だけがその源であり得るような脅威についても同様だ。
インド側からはフリゲート「サヒャドリ」駆逐艦「ランヴィジャイ」、補給艦「シャクティ」、潜水艦「シンドゥヴィル」、米国製インド対艦機P-81、ヘリ、演習軍事機「ホーク」が参加する。ロシア側からは太平洋艦隊の巡洋艦「ワリャーグ」、護衛艦「ブィストルィ」、タグボート「アルタウ」、タンカー「ボリス・ブトマ」が参加。テロ対策を掲げた演習ではあるが、潜水艦や空襲を想定した共同作戦も行なわれている。
敵のハイテク装備との戦いというのは露中演習でも共通の特徴である。ただ、そこでは規模が大きい。ふつう「海上協力」では各陣営が4隻以上の軍艦を持ち寄る。他方、露中海軍演習は、2012年以降行われているだけだ。露印演習「インドラ」は2003年からだ。
しかしインドも、より緩慢にではあれ、同じ道を行っている。よりリソースは制限されているが、インドには世界中から先端軍事機器を買うチャンスがある。その一例が、演習に参加している新型基地巡視機「P-81ポセイドン」だ。インドは米国が外国で販売するこの機種の第一購入者となり、ほかのより近しい同盟国より先に購入した。しかしなお、インドに売却された機種は、米海軍が使用しているものとは違い、より可能性が制限されていることを押さえるべきだ。
より遠い将来においては、インドは中国の急速な成長を再現する見込みが大きい。海洋艦隊の建設においては、あるいは中国を凌ぐかもしれない。ロシアについては、ロシアはBRICS内のパートナーの海軍力増大に関心を持っている。その艦隊の成長は、インドと中国がより活発な外交政策に転換しつつあることの表れであり、その重要国際問題解決における参加の活発化の表れである。ロシアはこれに利益を見ている。なぜなら、それはロシアに対する西側の圧力を引き下げ、国際政治における多くのテーマにおいてロシアが策動する自由を広げてくれるからだ。