防衛研究所・兵頭氏「日露協力テロ対策は日本にとって有意義」

© 写真 : East-West Center in Washington防衛省防衛研究所・地域研究部長の兵頭慎治氏
防衛省防衛研究所・地域研究部長の兵頭慎治氏 - Sputnik 日本
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今月に入りダーイシュ(IS、イスラム国)は中国をターゲットにする姿勢を鮮明にしている。中国人人質の殺害に続き、「戦場で殉死するのは我々の夢」などと北京語で歌った歌をサイトに載せてジハードを呼びかけている。地理的に近い日本もますますテロに対し他人事ではいられなくなってきた。日本は、政府の肝いりで国際テロ情報収集ユニットを前倒しで発足させたが、その情報収集能力は未知数だ。特に注目されているのは各国情報機関の幹部との情報交換を円滑に進められるかどうかだ。

テロとの戦いにおいてロシアは今日、中心的な役割を果たしている。防衛省防衛研究所・地域研究部長の兵頭慎治氏は、テロとの戦いにおいて日本とロシアが協力することは大きな意味があると指摘し、次のように述べている。

NATOの本部 - Sputnik 日本
NATOの政策とグローバルMDシステムは新たな紛争の脅威―ロシア軍参謀本部
兵頭氏「ロシア自身はチェチェンのイスラム系過激派勢力によるテロ事件に、今まで何度も苦労してきました。他方で日本は、イスラム過激派勢力によるそこまで大きなテロ事件には直面していませんが、2020年の東京五輪を控え、テロ対策をこれから強化しようとしています。

ロシアも、アメリカ率いる欧米有志連合も、それぞれシリアで空爆等の軍事行動を取っていますが、日本自身が軍事行動に直接参加することはできません。しかし、このテロに関する情報の交換・共有は日本にとっても重要です。その中でも多くのテロに遭遇してきたロシアとの間でテロ情報を共有することは、非常に大きな意味があると思います。

実は日本の海上自衛隊とロシア海軍は、テロ及び海賊対策の共同訓練を続けています。これは2013年11月の日露2プラス2で合意された事項です。万が一日本周辺でテロ事件が起きたときに備え、この対テロ共同訓練を更に強化して、地理的に近いロシアと連携して対応する訓練を事前に行っておくことは重要だと思います。テロというとヨーロッパや中東に関心が集まっていますが、将来的には日本も含めた東アジアでテロが発生する可能性もありますから、テロ問題に関する経験や情報を豊富にもつロシアと協力を深めていくことは、日本にとっても大きな意義があると考えます。」

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