ユーラシア大陸に幅広い協力を打ち立てるというテーマは、14日に中国の鄭州(ていしゅう)市で開かれる政府首脳会合の基礎となる。
ユーラシア経済パートナーシップの創設のような大規模かつ複合的な課題の実現可能性への確信は、露印中戦略パートナーシップ(RIC)という国家間プロジェクトが成功していることを根拠としている。インドの影響力ある分析センター「Observer Research Foundation」のナンダン・ウニクリシュナン副総裁はそう確信している。
RIC諸国の関係発展こそがより幅広い連合である、堅調に経済成長テンポを高めているBRICSという機構の基礎をなしているのだ。そう語るのは、ロシア科学アカデミーインド研究センター所属でロシアを代表するインド研究者のタチヤナ・シャウミャン代表だ。
「戦略パートナーシップ『RICトライアングル』は当初、多極世界建設への志向、テロ・宗教過激派対策での結集、科学、教育、文化、社会部門の関係発展を基礎としたものだった」
1998年12月にニューデリーを訪問したアカデミー会員エヴゲーニイ・プリマコフ氏が提唱した露印中の戦略パートナーシップというアイデアは、当初、インドと中国にあまり熱狂的に受け入れられはしなかった。
しかし状況は変わった。「国際関係システム全体が勢いをつけて再編されていっているという状況の中で、危機正常化に関する代替的メカニズムへの需要がますます高まっている。そのひとつとなりえるのが、露印中の結合だ。それなしにはただひとつの地球規模の問題を解決することもできない」ロシア国際問題評議会メンバーでロシア特別全権大使グレブ・イワシェンツォフ氏はコメルサント紙の取材にそう答えている。
RICという枠組みにおける相互協力は、昨年、現実的な輪郭を帯びた。ロシアがウクライナにおける行動を理由に西側からの制裁を受けたさい、ロシアとの4000億ドルにものぼる30年がかりの契約に調印したのは、他ならぬ中国である。2014年12月にニューデリーで行われた印露サミットではエネルギーや核技術、国防、インフラ、貿易といった分野で総額1000億ドルに上る20あまりもの合意に調印がなされた。
露印中の関係発展を分析した一連のアナリストらは、3カ国の関係の中にはなお少なくない政治的信頼の欠如を理由とする困難がある、と指摘する。特にそれが言えるのは中印関係。両者は未解決の領土問題を抱えている。
しかし、この方向性で、大きな尽力が傾けられている。今年末、相互信頼の強化を目指す両国軍部の交流が著しく加速した。テロ対策や麻薬対策その他共同作業を必要とするような国際犯罪への取り組みについても協力が強化されている。エネルギーや農業、ハイテクといった分野でもパートナーシップが拡大している。多くの識者が指摘するところでは、露印中の政治指導部および政府機関の最近の行動は、新たなレベルでさらなる協力を打ち立てるための基礎が既に築かれていることを示唆している。