来年から米国は、F-35 や F-22といった第五世代の航空機で飛行するパイロット養成用の訓練用戦闘機の大掛かりな交替開始を計画している。そのため2030年までに、そうした高等訓練機を1千機以上購入する見込みだ。契約総額は、500億ドルと見積もられている。受注競争には韓国も、名乗りを上げる考えだ。まして韓国には、訓練用戦闘機製造の経験があるからなおさらだ。韓国の専門家らは、入札に加わるため、今のT-50型機を改良したいとしている。
すでに韓国のパク・クネ(朴槿恵)大統領は「この契約は、韓米同盟を強化するだろう」と述べている。スプートニク日本のタチヤナ・フロニ記者は、ロシアの軍事専門家ウラヂスラフ・エフセーエフ氏に話を聞いた-
「韓国が米国に高等訓練用戦闘機を供給するというのは全く有り得る事だ。この場合も韓国は、実際大変良い市場を得ている。この市場は、米国の第4及び第5世代の多目的戦闘機を買う国に練習機を供給する事で、今後もさらに拡大するだろう。
一方、軍事領域での米国と韓国の密接な協力にも関わらず、多くの米国の専門家達は「米国政府にとって必要なのは、そうした戦略を徐々に放棄する事だ」と見ている。その主な根拠は、韓国が米国に与える特典は余りにも少なく、代わりに朝鮮半島に多くの問題を作ってしまう、というものだ。
ここで又、軍事専門家のエフセーエフ氏の見解を御紹介したい-
「韓国は事実上、軍事紛争に向け北朝鮮を挑発している。そのさい韓国内では、現行の米艦合意に基づき、射程800キロが可能な最新式の弾道ミサイルが製造されている。将来は、2千キロの中距離ミサイル製造が可能になるだろう。将来、このミサイルに核弾頭が取りつけられるだろうことは、全くもって明らかだ。これは、核兵器運搬手段を製造するのみならず、核兵器自体を持とうとする韓国の意向を示すものである。パートナー関係はあるが、米国は、韓国を抑え込もうと努めている。しかし韓国は、それでもやはり、比ゆ的に言えば、絶えず米国の手からすり抜けようとしている。当初、ミサイルの射程は167キロと制限されていたが、今や800キロまで許されている。つまり、核領域におけるミサイル製造に全体的進歩があったのだ。米国は今もまだ韓国に完全な核燃料サイクルを許可していないにもかかわらずだ。しかし、核燃料製造領域での経済性を口実に、韓国領内では、やはり徐々に個別のエレメントが作られるだろう。そうなればもう、将来の核兵器製造のための基礎ができてしまう。」
この核兵器製造を目指す韓国の意向は、深刻なファクターであり、米国は、韓国政府との関係において、これを考慮しないではいられない。韓国との関係において米国が真に恐れている最大の問題は、自分達が朝鮮半島での戦争に巻き込まれるのではないかという事だ。さらに経済領域で韓国と中国が非常に密接な関係にあるという条件の中で、米国のテクノロジーが中国に譲渡されるか、あるいは漏れる可能性があることもまた、米国を不安にしている。