24日木曜日、インドのモディ首相の2日間のロシア公式訪問が終わった。訪問の中では、優先的な戦略的パートナー関係の強化に向けた路線が確認され、一まとまりとなった15もの文書に調印がなされた。
一方で、この事は、ロシア・インド・中国という3か国の枠内での対話や協議メカニズムを強化したと言える。モスクワでのロ印最高首脳会談を総括して、ロ印中のフォーマットでの相互行動の重要性が強調された。なぜなら、そうしたメカニズムは、信頼レベルの向上、国際問題や地域問題へのアプローチ調整の拡大を促すからだ。モスクワ世界経済・国際関係研究所のエキスパート、ピョートル・トプィチカノフ氏は、スプートニクの取材に対し「ロ印双方は、非公式ながら、文書の中にそうした条項を含めた」と指摘し、次のように続けた―
「ロシアもインドも共に、ユーラシアの安定と安全のためには、3つの国がカギを握る役割を果たしている事を理解している。その3カ国とは、ロシア、インドそして中国である。そしてもちろん、インドとロシアは、このトライアングルの中に存在するものが、貿易経済関係や政治対話のための明るい展望ばかりではない事もよく分かっている。このトライアングルの中には、不信も存在しているからだ。特にインドと中国のレベルに、それがある。ロシアと中国の間にも、独自の問題が存在する。そうした観点から、24日ロシアとインドは、ロ印中のトライアングルの中の不信を捨て、よりスケールの大きな対話を築き、経済的政治的対話発展のための努力を拡大し、トライアングル内の安全保障分野におけるコンタクトを広げて行こうとの希望が示された。また24日、ロシアとインド両政府は、グローバルなレベルで両国が、BRICSのフォーマットを尊重し、さらに発展させてゆく心積もりを示した。地域レベルではすでに、ロ印中のトライアングルや上海協力機構といった極めて将来性のあるものが存在している。インドは、上海協力機構のメンバーとなり、その潜在力を完全に利用する意向である。」
「ロ印中3国の自然な国益の接近が行われている。これに我々は、次の事を付け加えなければならない。それは、モディ首相自身、中国の指導者習近平氏との個人的関係をより良くするために、少なくない仕事をしたということだ。現在この3か国のフォーマットは、互いの国家に対するそれぞれの国の自然な欲求に基づいて築かれつつある。そうした要求の中には、アフガニスタン調整やシリア危機解決といった問題における努力の調整も含まれる。ましてインドは、インド外務省のしかるべき代表との懇談で明らかになったように、シリア内戦後の復興に参加する用意があるとの事だから、なおさらだ。また同様の意向を、中国も持っている。米国を筆頭とした我々の西側のパートナー達は、世界をどこか一つの国あるいはグループが支配するといった考え方が、もう現実的ではないと、実際世界が気づいたことを理解し始めている。それゆえ必要不可欠なのは、ある種の努力の調整だ。3か国の共同行動も、ロ印中のトライアングル、BRICS、上海協力機構など様々なフォーマットといった、まさに全世界的なコンテキストの中で捉えたいと考えている。」