高村氏は今回の訪問で、ラヴロフ外相やナルィシュキン下院議長と会談する構えだ。なお、ナルィシュキン氏は、日本におけるロシア文化祭の共同実行委員長である。先に報道されているように、今回の訪問は、今年、両国対話を活性化し、様々なレベルで伝統的なコンタクトを継続することを目指したものである。高村氏自身、訪問目的のひとつは「ハイレベル対話継続のチャンスを模索」することにあると述べている。
リア・ノーヴォスチのインタビューに対し高村氏は、プーチン大統領に宛てた安倍首相の書簡を手渡すことになっている、と明かした。おそらくそこにはプーチン大統領の訪日に関する記述があるだろう。また、安倍首相がロシアのいずれかの都市を訪問する計画についての言及もあるだろう。たしかに昨年11月にトルコのアンタルヤで行なわれたG20サミット後、そうした招きがプーチン大統領から安倍首相にあったことが判明している。専門家によれば、安倍首相は5月に三重県で行なわれるG7サミットの前に欧州歴訪を計画している。その途中でロシアに寄り、プーチン大統領と会談する可能性もある。会談場所の候補と目されているのは、サンクトペテルブルグまたは、ウラジオストクだ。
高村氏は11日、日本の国会との協力を担当するロシアの議員団と会合を持ち、露日関係を討議した。高村氏によれば、「ロシアの議員たちとの率直な意見交換で、議会間交流のさらなる活発化、両国間の信頼関係強化が促進される」。一方、日本の国会との協力を担当するロシアの議員団調整役であり、ロシア議会下院天然資源・自然利用・エコロジー委員会副委員長のミハイル・スリペンチュク氏は次のように述べた。
「議員同士の会合は極めて重要と思う。なぜなら我々は、深刻な問題についても、互いに質問しあい、答えあうことを恐れないからだ。我々が日本にいた当時、ウクライナについての質問にも回答を行なった。今我々は全く冷静に、日本の議員らとクリル諸島について話している。なぜなら彼らも我々も、この問題が重要であることを理解しているからだ。そうした率直な対話のお陰で、鋭利な角がだんだん鋭利でなくなっていくのである。よって、議員間の交流は、両国関係にとって極めて重要なのだ。元外相で現在は日露友好協会を率いる高村氏との会談では、私はいつも、両国のふたつの文化が同盟を組むことで、世界経済に強い刺激を与えることが出来る、と強調する。ロシアは日本と仲良くし、日本はロシアと仲良くしなければならない、と。今回の会談では、プーチン大統領の訪日が準備されている、との一定の情報があった。両国関係の多くが今、この訪問にかかっていると思う。」
高村氏がモスクワで持つ一連の会談では、諸々の国際問題にも言及がなされる見込み。中東情勢や北朝鮮の先日の行動についても意見が交わされる。日本のメディアによれば、北朝鮮に対する一定の措置を講じるための議論もなされる。
高村氏の訪露は13日まで。