北朝鮮の無人機がマスコミに取り上げられるようになったのはつい最近のことではあるものの、実際に軍備に入れられてからはすでに四半世紀あまりの時間が経過している。米軍事アナリストのジョセフ・バームンデズ氏の調査によれば、北朝鮮初の無人機は80年代末中国で購入された。韓国の諜報機関によれば、北朝鮮は1993年末にかけて国産の無人機の製造に成功している。北朝鮮製の無人機「パンヒョン」および「パンヒョン2」は中国の無人機の改良バージョンで今日に至るまで北朝鮮の無人機航空団の基礎を成しているとされている。そのほか、これを基礎としてすでにその時点で、核兵器ないしは生物兵器の運搬する最初の攻撃用無人機の製造実験が行なえていた。
この事件の後、北の無人機は事実上、韓国のあらゆる施設に対し、奇襲を行えるのだという危惧感が生まれた。韓国軍部はこれについては、攻撃を行えるのは攻撃用無人機であり、発見された小型機の動作範囲は限られており、3-4キロを超える弾薬を搭載することは不可能なことから、特に通常兵器と比べた場合、深刻な害を与える危険性は極めて少ないとの見解を表した。北の無人偵察機が発見された後、韓国は北の無人機、偵察機の侵入を防ぐため、低空飛行標的発見のための通信ロケーションシステムを展開した。ところが2015年に起きた事件によって、このシステムも完全なものではないことが露呈されてしまった。北の無人機は早期発見にもかかわらず、韓国領空を数百メートルに渡って飛行し、監視ポインドの撮影に成功してしまったからだ。しかも領空侵犯を受けて発射された爆撃機、ヘリコプターも即時に無人機を発見することは出来ず、無人機は何事もなく帰還してしまった。
1月13日、韓国軍部の取った行動はそれより格段に効果的なものだった。韓国軍は北の無人機の侵入を2メートル以上は許さなかった。それでも今回成功したからといって、この先も同様に効果の高い行動が100%行なえるという確証はない。しかも北の無人機プログラムについて我々はかなり多くのことを解き明かしていない可能性も十分ある。そもそも北の軍備の切り札など、誰が知ろうか?