北朝鮮問題でロシアの協力を仰ぐにはどうすればよいか

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拓殖大学大学院特任教授の武貞秀士氏 - Sputnik 日本
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国連安保理における、北朝鮮への新たな制裁決議採択へ向け、日本はロシアの協力を得たがっている。先週、自民党の高村正彦副総裁は、プーチン大統領への親書を手にモスクワを訪れた。高村氏は、ラヴロフ外務大臣およびナルイシキン下院議長と会談した中でも、強いレベルの制裁が必要だと訴えた。

参議院予算委員会でも「北朝鮮問題に対してはロシアに協力を求め、国連を通して世論に訴えるべきだ」などの声が与党議員から出ている。安部首相自身も、ロシアの建設的な関与を得ていくことが重要であると述べている。しかしそう簡単に日本の思惑通りにはいかない。ロシア下院・防衛委員会のジガレフ第一副委員長は、リア・ノーヴォスチ通信の取材に対し「北朝鮮の外界からの孤立が、同国を良い方向へ導くことはない。孤立や制裁は状況を悪化させるだけだ」と述べている。あくまでも、対話を基調とする姿勢を崩していない。

無人機争い、北挑戦の脅威 - Sputnik 日本
無人機争い、北挑戦の脅威
朝鮮半島問題に詳しい拓殖大学大学院・武貞秀士特任教授は、「ロシアは北朝鮮に対する制裁には、慎重な姿勢を維持している」と指摘し、次のような見解を示している。

武貞教授「プーチン大統領のいくつかの発言にあるように、ロシアは北朝鮮の水爆実験を批判しています。ロシアは、過去20年間の国際関係の推移で『核兵器開発を断念せよ』と北朝鮮に言っても、北朝鮮が断念しないことを知っています。であればロシアは、制裁問題では一部、国際社会と協調するものの、厳格な制裁とは一定の距離をおくでしょう。北朝鮮との対話を基調にしながら、今までの沿海地方と北朝鮮の経済交流の蓄積への悪影響を阻止したいと考えているからです。プーチン大統領の東方政策を推進するとき、金正恩第一書記の経済特区への参入は不可欠であるからです。」

北朝鮮からの労働者の受け入れはソ連時代からの伝統だ。ロシア極東発展省のもと、北朝鮮の労働者らをウラジオストクの極東連邦大学で職業訓練するという計画も既に作成されている。東方政策拡大の一方で、絶対的に労働者が不足しているからだ。昨年9月にウラジオストクで開催された東方経済フォーラム終了後、ロシア政府は人材発展局の設置を表明している。それ程までに、極東における労働者の質および量の問題は真剣なのだ。日本は、これらのロシアの事情を見過ごすことはできない。この相違がクリアできなければ、ロシアと日本が対北朝鮮政策において一枚岩になることは難しい。

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