これは、ダヴォスでIMFのラガルド専務理事が、「中国は通貨市場の状況をもっと真剣に考慮するべきだ」と中国を批判したことに対する回答としての発言である。
今年に入ってからも元のドルに対する値下がりが続いている。この間いくつもの新記録が出ている。一連の専門家がこれを、不調の中国輸出を下支えするための「手動」切り下げであると評価している。これに対し、中国の李克強首相は、昨日、欧州復興開発銀行総裁との会談で、中国は輸出拡大のためにより安い元を利用する計画などない、と公言している。中国は安定的な交換レートを支持する、とのことだった。
多くの分析家が途方にくれている。ドルの強化はハリケーンのような性格をもち、多くの国、とりわけ不安定な国の全ての市場から金を吹き払ってしまう。
億万長者で投資家のジョージ・ソロス氏は、中国経済は「ハードランディング」に向かっている、と見ている。それは世界のデフレ圧力を高め、再建市場の下落を深める。「ハードランディング」はほぼ不可避である、と、やはりダヴォスで、ソロス氏は語っている。
昨年の中国のGDP成長率はこの25年で最低だった。前年の7.3%に対し、6.9%と鈍化。しかし、中国現代国際関係アカデミー世界経済研究所長チェン・フェンイン氏は、こうした破滅的な予測に同調しない。
「中国経済はその発展の全ての段階において一定の困難を経験したが、常にそれらは克服され、前進の契機となった。同じことが今も起こっている。中国は不死鳥のように灰の中からよみがえる。それに、世界のいずれの国も、同様の状況に置かれている。ある国は修正の途上にあり、ある国は既に危機から抜け出つつある。比較的良好なプロセスが米国に見られる。というのも、米国に危機が及んだとき、中国が彼らを助けた。そして中国自身が危機に陥ってしまったのだ。もし中国が米国を助けていなかったら、中国は現在の状況に陥ることはなかった。しかし、この世界では、国家は互いに助け合わないといけない。そうして、中国の不死鳥のように、灰の中からよみがえらねばならないのだ」