ブルームバーグ・インテリジェンスの情報では、2015年の流出資本は前年の7倍。2014年の資本流出は1343億ドルだった。
中国の外貨準備高は2015年、5130億ドル減の3兆3300億ドルにまで縮小した。これは中国人民銀行が元の安定化路線を強化したのが原因。
専門家らの予測では、2016年末までに中国の外貨準備高はさらに300億ドル縮小し、3兆ドルにまで落ち込む。ブルームバーグがエコノミストらに行なった世論調査では、これが中国人民銀行が元を守る能力に欠けているとして、不信をかったとの見方がなされている。
ブルームバークのアジア市場専門のエコノミスト、トム・オーリク氏の指摘では、輸出業者が資金を中国元に両替することを嫌い、米ドルで保持しようとする傾向も、元に圧力となっている。
コンサルティング会社「キャピタルエコノミックス」アジア市場の上級エコノミスト、マーク・ウィリアムズ氏の試算では、資本流出はおそらく高いレベルでキープされる。中国人民銀行が課題をどうしてもこなすことができなかったのがその理由。ウィリアムズ氏は、資本の最大流出は元の切り下げで通貨政策が突如として変化した際に起きていることを指摘している。