照屋議員「宜野湾市長選は残念な結果となりました。ひとつには我々の候補者擁立が遅れて、選挙態勢作りが現職陣営に比べて大幅に立ち遅れてしまったことがあります。それに対して自民党・公明党そして安部政権が、ものすごい物流作戦といいますか、市内の関連業者に対する締め付けをしました。また、普天間基地の早期閉鎖返還、辺野古への移設反対、これに対する巧みな争点隠しがあった結果、負けたものと思っています。」
政府側の作戦については、他にも指摘する声がある。今月19日のIWJのインタビューに対し「ママの会」の新垣依恵さんは、自民党は今まで「すごく学んでいる」と指摘している。一昨年の知事選の際に米軍は静かにしていたが、今回はその逆だった。秋口からわざとらしいくらい米軍機が普天間の住宅上空を低空飛行し、住民の恐怖を煽ってきたという。そこで住民は「もう辺野古でもどこでもいい、今すぐこの基地をどけてくれるのなら、その候補にお願いしたい」という心理状態に陥るというわけだ。
スプートニク「政府は今後、宜野湾市長選の勝利を受け、辺野古への新規基地建設を今まで以上に積極的に推し進めるでしょう。しかしその一方、六月の県議会議員選挙、七月の参議院選挙は、より広く沖縄県の民意を問う機会だと言えます。今後、翁長知事をはじめとするオール沖縄陣営、そして照屋議員は、どのような活動をしていきますか。」
照屋議員「六月の県議選については引き続いて翁長県政、与党が多数を占めるように、県内各地で頑張ってまいります。そして七月の参議院選挙についてはオール沖縄体制を早めに再構築し、現職の自民党候補に勝てるよう頑張りたいと思っています。辺野古への新基地建設について、安部政権は『直近の宜野湾の民意は新基地建設に反対していない』と、既に大々的に宣伝しています。しかし私たちは辺野古の現場における創造的な戦いを一層強めて、翁長知事による国との法廷闘争を含め、大衆運動を大きくし、絶対に海兵隊が戦争をするためだけの新基地を辺野古に作らせない、という強い決意をもっています。今後も翁長知事を先頭にし、知事を支え、戦っていきます。」
七月の参議院選挙では、翁長知事を支持するグループは元宜野湾市長の伊波洋一(いは・よういち)氏を擁立する構えだ。自民党からは、県連代表でもある島尻安伊子沖縄・北方担当大臣が三選を目指す。島尻氏は2010年の参院選に出馬した際、普天間基地の「県外移設」を公約に掲げ、当選した。しかし当選後、県外移設から県内移設容認に転じた。これに対して、沖縄県民の審判が下ることになるだろう。直近の国政選挙である2014年の衆院選では、沖縄県内4つの小選挙区全てで、県内移設推進派の自民党公認議員が全滅している。現職大臣の当落は、沖縄の運命を大きく左右することになる。