遺伝学者らはこの技術により遺伝病をもつ子どもがなくなることを期待している。母親のもつ欠陥のあるミトコンドリアを別のドナー女性の健康なミトコンドリアと交換する、という方法だ。実質的に、一人の父親と二人の母親からなる子供が受胎されることになる。
食品や医薬品の品質監査を担当する米国の衛生監査局が昨年設置した特別委員会がこの技術の適用の可能性を討議した。委員長を務めた、ジョン・ホプキンス大の生命倫理専門家ジェフリー・カーン氏は、3人の親から子供を生み出す技術は適用してもよい、ただし慎重な適用が望ましい、とした。
同氏は、適用は例外的に、国の機関の監視のもとで行われるべきだ、とした。しかも、欠陥ミトコンドリアの交換は男性の胎児にのみ行われるべきだ、と同氏。ワシントンポストが伝えた。
専門家からの承認が受けられても、近々米国で「遺伝子改良児童」が生まれるようになる、というわけではない。議会が採択した今年度予算には、こうした実験の費用は計上されていない。