ケリー米国務長官は北朝鮮のこのミサイル打ち上げについて国際安全保障に対する容認できない挑戦と呼び、北朝鮮にその責任をとらせるよう呼びかけた。ロシア、中国も続いて北朝鮮に対し、地域情勢を不安定化させるような行動を控えるよう呼びかけている。
これについてロシア科学アカデミー極東研究所朝鮮課の専門家、コンスタンチン・アスモロフ氏は次のように語っている。
「ロシアと中国は北朝鮮に対し、ミサイル発射を行わないよう幾度も要請してきた。こうした中には人工衛星が落下して事故が発生することへの危惧感もある。こうした危惧感は現実のものにはならなかったが、いま、ロシアと中国の行動や声明には北が国際社会の憂慮を考慮しようとしないことへの苛立ちが感じられる。米国とその連合国らがロシアや中国の苛立ちを利用し、北朝鮮に対して国際的な圧力を調整する措置への支持をとりつけるという自身の目的を遂げようとしていることは間違いない。」
「米国とその同盟国は北朝鮮の体制転換について扇動的な話し合いを常に行っている。朝鮮半島付近を航行する米国の艦船には北朝鮮に照準を当てた兵器が搭載されているが、これが北に狙いを付け出したのは北が独自の核ミサイルプログラムを開始するよりもはるか前の話だ。米韓合同軍事演習は常時行われており、北朝鮮領域での行動が策定されている。北朝鮮はこうした演習を止め、半島全体を非核化する発案を定期的に行っている。だが米国は北朝鮮が行う平和条約締結の提案と同様、非建設的であるとか、ありふれたデマゴーグだとの見方を示し、こうした発案を無視し続けている。ところが現在米韓は、北朝鮮からの脅威が高まることへの報復として、朝鮮半島に米MDシステムの配備交渉を開始する構えを見せている。」
この交渉のきっかけとなったのが北朝鮮が先日行ったミサイル発射であったことは間違いない。まさにこのためにロシアと中国は北朝鮮の行動に苛立ちを覚えている。だが北朝鮮指導部を批判しながらも、ロシアと中国は現段階では、北朝鮮封じのツールとしての制裁発動は見通しを持つものではないという見解を取り下げようとはしていない。北朝鮮に核ミサイルプログラムを断念させることができるとすれば、それは北の安全に対し、揺ぎ無い保証を与えることをおいて他にはない。