バレンタインデーの起源は269年にまで遡れるという。当時ローマ帝国のクラウディウス2世皇帝は、戦うローマ軍は深刻な兵員不足を抱えており、その大敵は結婚である、と考えていた。妻帯兵士はローマ帝国の栄光より家族を養うことに気を揉むからだ。士気を維持するため、皇帝は、兵員の結婚を禁じた。
皇帝の怒りを恐れず、ひそかに兵員を恋人と結び合わせる人物がいた。ローマのテルニ市の聖職者、ヴァレンチン(バレンタイン)だ。皇帝はそのことを知ると、ヴァレンチンに死刑宣告を行った。ヴァレンチン自身は牢屋で看守の娘に恋した。処刑の前日まで娘に別れの手紙を書き、愛を告白し、「君のヴァレンチン」と署名した。それが読まれたのは処刑後になってのことだった。
今日、バレンタインデーは様々に祝われている。日本では女性が男性にチョコを贈る。フランスでは宝飾品、デンマークでは白いドライフラワーを贈り合う。
米国では相当高価なマジパンを贈る慣行である。ロシアではハート形のプレゼントを贈る。しかし、それ以外のプレゼントを贈ることが何も禁じられているわけではない。
世界には特別な形でバレンタインデーに「対処する」国もある。筆頭がサウジアラビアだ。世界で唯一バレンタインデーが公式に禁じられており、違反者には厳罰が用意されている。