外部要因がアベノミクスを阻む、消費税再増税先延ばしもあるか

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15日、東京株式市場は日経平均株価が1万6022円58銭の終値をつけた。前日比1069円97銭高となっており、過去13番目に大きい上げ幅だ。安部首相は、日本経済のファンダメンタルズは確かなものであって、日々の株価の動向に一喜一憂すべきではないとの見方を示している。しかし同日に発表された2015年10月―12月の国内総生産(GDP)の速報値は実質0.4パーセント減。年率換算は1.4%減で、2四半期ぶりのマイナスとなった。伸び悩む個人消費と輸出が数字に表れた形だ。

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安部政権の経済政策、通称アベノミクスは、円安を背景に輸出企業の業績を上げて株高にし、設備投資や個人消費を伸ばすことに重点を置いている。現在のマーケットの状況はアベノミクスの狙いからまったく外れており、アベノミクスが行き詰っているのではないかと指摘する声もある。

これに対しフィリップ証券株式会社・リサーチ部長の庵原浩樹(いはら・ひろき)氏は、アベノミクスの重点項目は決まっており、ここから新しい政策が出てくることは考えにくいと指摘している。庵原氏は、政府はこれまでやるべきことはやってきたが、まだ結果が結実していないと見ている。

庵原氏「金融政策と経済政策の両輪がうまく噛み合っていけばうまくいきますが、原油安・中国経済のスローダウン・中国発によるアメリカの景気後退などの外部環境が、それを許していません。現況、国内要因というよりも外部要因に押しつぶされているところが大きいと思いますので、アベノミクス自体よりも、世界景気をどう立て直していくかが課題です。26,27日に上海で20カ国・地域(G20)財務省・中央銀行総裁会議もあります。先進国が連携してこの問題をどう乗り切っていくか、その中でアベノミクスが見直されていく可能性はあるのではないかと考えています。」

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国内問題に目を向けてみると、庵原氏は「アベノミクスの見直しの中で、消費税増税を先延ばしにするなどの可能性もあるのではないか」と指摘している。消費税増税に関しては更なる個人消費の落ち込みが見込まれる以上に、軽減税率品目の定義の議論が十分でないことが政府に対する信頼感低下を招いている。軽減税率は酒類・外食を除く飲食料品と、週2回以上発行の新聞が対象品目となる予定だが、なぜ新聞が食料品と並んで特別扱いをされるのか異論も多い。再増税は来年4月を予定しているが、麻生太郎財務大臣は、15日の衆院予算委員会で、軽減税率対象品目について「最初から完璧に準備できると思っていない」と述べており、線引きの曖昧さから混乱が生じることを既に認めている。

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