ストレリツォフ教授はまず、次のように指摘した―
「新しい野党結成プランは、私にとって意外なものではなかった。日本は、新たな選挙シーズンに入っており、今年与党が衆参同時選挙に打って出る可能性が高まっている。この事は、野党の前に、野党陣営内の再構築及び再編プロセスを加速化すべきだ、との課題を提起している。
問題は、民主党が現在まで、建設的な政策を示すのではなく、基本的に、自民党批判という戦術をとって来た事にある。そして今、新しい政党にとって必要になって来るのは、自分の居場所を見つける事だ。例えば、強力な社会政策を提唱する事に活路を見いだせるだろうし、年金システム維持のための安定した財源の模索、税制改革、国の財政状況の健全化といった問題に集中するのもいいだろう。しかしその際重要なのは、やり過ぎて、前のようにポピュリズムに陥らないようにする事だ。」
次にスプートニク日本記者は、ストレリツォフ教授に、対外政策において、新党に何が期待できるか、聞いて見た―
最後にスプートニク日本記者は「野党は、防衛領域での改革にブレーキをかけようとするだろうか?」との問いをストレリツォフ教授にぶつけてみた―
「すでにブレーキはかけられていない。法律は採択された。しかし法律は、分析すれば分かるように、大変慎重で妥協的なものだ。日本が、何か急に軍事大国になったなどと言ってはならない。新党は、恐らく、この方向では積極的な措置は取らないだろう。もし民主党が、主要な野党というイメージを目指すのであれば、彼らにとって今、顔を変えて、自分達は以前に比べ団結し、党内の意見の相違を克服し、首尾一貫したプログラムを提起する能力があるのだと示す事が重要だ。しかし私は、今のところ、民主党が、維新の党と同盟を組んだとしても、そうした党になれるとは見ていない。恐らく今起こっている事は、次の選挙サイクルに向けた何らかのリハーサルだろう。主要野党として民主党に匹敵するものは、日本にはない事ははっきりしている。恐らく、日本の政治プロセスは、二大政党制の方向に発展してゆくだろう。しかし多くの事は、民主党自体がいかに自分自身を改革できるか、その能力にかかっている。」