同会は、これまでも米軍による犯罪がずっと起こり続け、事件が起こると米軍も日本政府も綱紀粛正・再発防止を唱えて「多少の」対応をするが、形式的な対応を繰り返すばかりで、抜本的な解決になっていないと強く訴えた。
高里氏「定刻までに基地に戻るようにと言っても、多くの兵士が規則を巧妙に使い、基地に戻らず那覇で泊まっています。今回の事件はまさに、このようにして起きたものです。事件が起こったのと同じホテルに加害者以外の米兵も宿泊していました。キャンプ・シュワブは沖縄の北部に位置しますが、彼らは那覇市まで車で一時間半かけて来ているのです。那覇では、女性が路上で襲われたり、女性が帰宅してドアを開けようとしたら一緒に米兵が入ろうとしてきて、女性が叫び声を上げたので逃げたという事件もあります。度々起こる事件の後に規則を強化していても、兵士らは異動しますから、新しく来た兵士からすれば、以前の事件は自分に関係ないというわけです。しかし沖縄の私たちはずっとこの地で生活しています。この被害、暴力の経験というのは私たちの中に積み重なっているのです。」
高里氏は、米兵による暴行や飲酒運転などの事件がなくならない背景には、日米地位協定の問題があると指摘している。
日米地位協定によって米兵の地位は保障、優遇されている。外国人が日本に居住する際には自治体に外国人登録が義務付けられているが、米兵はその登録の必要もない。何人の米兵が日本に滞在しているかは、米軍からの数字の報告だけでよいことになっている。米軍が日本国内の基地を長年使って環境を汚染したとしても、アメリカには環境被害を完全に除去する責任はない。
日本人が、米軍基地との境界を示すオレンジの線を越えると逮捕されるが、米兵は基地の外に自由に出て行ける。事件は常に「基地の外」で起こり続けている。那覇は言うまでもなく日本で最も人気のある観光地の一つだ。今回被害にあった女性は県外から那覇に来ていた。基地のある町の地元住民以外も米兵による犯罪の被害者になる可能性が、今後も大いにある。