プーチン大統領は演説の中で、シリアにおける軍事作戦の開始は、シリアの合法政権ならびにシリア大統領の依頼によって承認されたと述べ、作戦を総括して次のように語った-
「我々の作戦の主要課題はテロリズムへの攻撃だった。国際テロリズムとの戦いは、正当で義なるものだ。文明の敵、野蛮な行為や暴力をもたらす者たちとの戦いは、世界の支えとなっている偉大な価値の意味や意義を強調しようとしている。繰り返すが、シリアにおける我々の行動の主な目的は、グローバルな恐ろしい悪を食い止めることであり、テロリズムをロシアへ移動させることではない。ロシアの軍人たちの行動は、状況を根本的に変えた。我々は、テロの『腫瘍』を拡大させなかった。ならず者たちのアジト、彼らの武器・弾薬庫が破壊され、テロリストらが主な資金『補給』を受けていた石油の密輸ルートが遮断された。我々はシリアの合法政権と国家体制を強化するために膨大な作業を行い、シリア軍を強化した。彼らは今、戦略的イニシアチブを習得し、自分たちの国からテロリストらのならず者たちを一掃することを続けている。我々は、和平プロセスを開始するための条件をつくった。米国、その他の一連の国々、戦争の停止と、唯一可能な紛争の政治的解決策を見出すことを実際に望んでいるシリア国内の責任ある反政府勢力と、ポジティブで建設的な協力を確立することに成功した。そしてこの平和への道を開いたのが、まさにロシアの兵士である皆さんたちだ。」
またプーチン大統領は、ロシアの軍事作戦は終了したが、同国はシリアの勢力均衡を保つためにできることを全て行うと指摘し、次のように述べた-
「もちろん今後もシリアの合法政権への支援を続ける。それは財政援助、技術や武器の供給、シリア軍の訓練などでの協力であり、偵察支援、作戦計画での参謀的援助、そして最後に、人工衛星群、攻撃機、爆撃機の利用という直接的な支援だ。シリアに残るロシア軍の部隊は、掲げられた課題を遂行するためには十分だ。我々は、シリア軍と当局の『ダーイシュ(IS、イスラム国)』や『アル=ヌスラ戦線』、国連安全保障理事会によってテロ組織と認定されているその他の組織との戦いで、シリア軍とシリア当局への支援を続ける。我々のテロリストらに対する妥協なき姿勢に変わりはない。」
プーチン大統領はさらに、ロシアのミサイル防衛(MD)システム「パーンツィリ」と「S400」は、シリアでの配備を継続すると強調し、シリアのMDポテンシャルは大きく回復したと指摘し、次のように語った-
「我々は、基本的な国際規範に立脚しており、シリアの主権領空を侵犯する権利は誰にもない。米国側から空中での事故警報メカニズムが構築され、効果的に作動しているが、我々のMDは、我々がロシアの軍人たちにとって脅威とみなすあらゆる標的に対して使用されることが、全てのパートナーに警告済みであり、皆が知っている。私は、あらゆる標的に対して使用されるということを強調したい。」