ロシアへのインバウンドをメインに手がける旅行会社「トゥムラーレ」で勤務するマリヤ・ブハエヴァ氏、モスクワ大学で日本語を教えながら日本のアニメグッズ店「Tokyo Boom」を経営するアレクサンドル・ラエフスキー氏、在モスクワ日本大使館で広報担当として働くスタニスラフ・シャホフ氏がそれぞれ、自身の成功体験を語った。
ラエフスキー氏は、モスクワで毎年開かれる日本文化フェスティバル「HINODE」の司会者でもある。「日本で暮らした最初の半年間は社会規範の違いやカルチャーショックを乗り越えるのに大変だったが、それが過ぎたら『そう悪くない』と感じ始めた。日本は美しくて、食べ物が本当においしくて、気候が良い。『生活の中に日本が足りない!何だかんだと言っても日本は良い!』と感じたのは、ロシアへ帰国してからだった。生活の中のふとした瞬間に日本人の考え方はユニークだ、ということに気付く。そこから学ぶものがたくさんあると思う」とユーモアを交えて語った。
JETプログラムを通し、外国語指導助手として日本で働いた経験のあるシャホフ氏は「日本に留学し勉強しているだけなら、ある意味観光客と一緒だが、働くという体験はそれとは全く別物だ。ロシアでは日本語学習者、研究者の数はとても多いため、競争が激しい。職を得たければ、日本語以外に英語を使いこなせることが条件だ」と真剣な面持ちでアドバイスした。
マリーナさんは、「高校を卒業したら、ロシアの大学へは行かず、京都に行って企業インターンなどをし、日本で就職したいです。京都は文化が素晴らしい街だと思います」と話している。お母さんも、将来的に娘が日本でアニメやアートなどの、芸術的感性を生かすことのできる仕事に就くことを望んでいるという。
なお国際交流基金は、4月2日にも同タイトルのセミナーを異なるゲスト・スピーカーを招き開催する。