米ワシントンで開かれた核安全保障サミットで4月1日、北朝鮮の核の脅威が世界の安全保障の最も深刻な問題の一つとして認められた。これは、北朝鮮の好戦的な態度とミサイルや核の盾をつくろうとする欲望は、米国がユーゴスラビア、イラク、リビアで行ったように北朝鮮の体制も力で変えようとしているとの危惧によって引き起こされていると考えるロシアが、サミットへの参加を拒否したために生じた可能性がある。ロシアの著名な東洋学者でソウルにある国民大学の教授を務めるアンドレイ・ラニコフ氏は、北朝鮮の核問題と呼ばれるものの最善の解決策は協議の再開だと思われるが、現時点でその可能性は低いとの見方を示し、次のように語っている‐
駐ロシア北朝鮮大使のキム・ヒョンジュン氏は、朝鮮半島情勢は核紛争に近づいているとし、その理由は「核の脅しと脅威、米国側からの制裁、そして圧力だ」と述べた。北朝鮮では状況をこのように感じている。実のところ複数の専門家たちは、米国はいま北朝鮮どころではないと考えている。いま米国にとっては北朝鮮よりも中東でのイスラム主義者対策やロシアとの協力の新たな形の摸索の方が重要な問題だという。さらに米国はでは大統領選挙に向けた予備選が行われており、オバマ大統領にも、2016年米大統領選挙の主な候補者たちにも北朝鮮問題を解決するための綱領はない。欧州は、テロの未然防止や移民問題の解決で忙しい。中国当局は、悪化した場合に国内情勢の不安定化を引き起こす恐れのある国内の経済情勢を懸念している。恐らくそのため中国は対北朝鮮制裁の国際レジームに加わったのではないだろうか。一方で、中国が北朝鮮への支援を完全に拒否することができないのは明らかだ。そして現在行われている米韓合同軍事演習も、米国はいま北朝鮮どころではないという考えを否定している。