スプートニクは、小学校5年生のときに広島で被爆した山田玲子さんにお話を伺った。山田さんは、オバマ大統領の広島訪問が実現すれば、被爆者と面会し、話す時間を設けてほしいと希望している。
山田さん「やはり日本にいらっしゃるからには、広島でも、長崎でも、被爆地を訪れて、一人でもいいですから被爆者の話を、ここで何があったのかを聞いていただきたいのです。広島も長崎も立派に復興しています。とてもあのようなことがあったとは思えないくらい、今では美しく蘇っています。しかし71年前に世界で初めて原爆の被害にあった街がどのようになったのか、人々が何もわからないまま、苦しみ、悲しみながら亡くなったということはどのようなものだったのか、ぜひ聞いていただきたいと思います。」
ケリー米国務長官は4月11日、G7(先進7カ国外相会合)の際に広島を訪問し、被爆地訪問の重要性を強調した。しかし、被爆者と直接話すことはなかった。
山田さん「G7の際に、ひとりの被爆者が会っています。それなのに、なぜ外相会議の会合に集まった人たちがその方の話をお聞きにならなかったのか。広島(当局)がなぜ、その方に話をさせなかったのか。私どもにとっては非常に残念でした。原爆資料館、平和記念公園、原爆ドームを訪ねてくださいました。目では、見てくださったわけです。しかし実際にまだ生き、被爆を経験した人がいるわけですから、ぜひその人の話を、5分でも10分でも、生の声を聞いて頂きたかった、それが原爆で亡くなった人たちの望みだと思います。」
広島市の松井一実市長、長崎市の田上富久市長とも、オバマ大統領が被爆地を訪れたとしても、米側の謝罪にはこだわらない姿勢を示している。山田さんも、言葉での謝罪を求めることよりも、核のない平和な世界に向けて今後どう行動していくかの方が重要であると訴えている。
山田さん「アメリカはたくさん核兵器をもっています。オバマ大統領は『核の無い世界を』と訴えてノーベル平和賞を受賞されました。『核兵器を使わない』という言葉をオバマ大統領に言ってほしいのです。そして行動を起こしてほしいのです。核兵器を使わないと誓うこと、それが私たちにとって、謝罪の代わりになるのです。」