コンクールで入賞したロシアのイワン・ベッソノフ君は、次のように述べている-
「みんなコンクールに出ているんですが、みんな笑顔なことが多いんです。なぜなら、まず第一に参加者みんなが賞をもらえ、それが嬉しいからです。ほかのコンクールだとこうはいきません。みんな顔をしかめて歩き回っていますし、気持ちを尖らせています。」
やはり入賞したロシアのワルワラ・クトゥーゾワさんも、同じ考えで、次のように話してくれた-
15人の才能に恵まれた若きピアニストの中から、より優れた演奏家を選び出すのは、第一回国際コンクール「Grand Рiano Competition」の審査員にとって容易ではなかった。若きピアニスト達は皆、技術的にミスのない演奏を披露し、様々なクリエイティブな個性を鮮やかに完全に発揮して見せたからだ。
そうした中、発表されたのは次の7人の名前だった。
イワン・ベッソノフ(ロシア)、奥井紫麻(オクイ・シオ・日本)、ジョージ・ハリオノ(英国)、サンドロ・ナビエリゼ(グルジア)、アレクサンドル・マロフェーエフ(ロシア)、ワルワラ・クトゥーゾワ(ロシア)、ティン・フンリャオ(中国)。
「私の夢がかないました。私は、モスクワ音楽院のあの伝説的な舞台でとても演奏したかったのです。神経質にならないよう、自分の大好きなコンチェルトを弾く幸せな感覚を保とうと努力しました。」
コンクールは、世界の音楽界から高い評価を受け、提唱者のデニス・マツーエフ氏本人も、その成果に満足を感じている。彼は次のように述べている-
「音楽院の大ホールやラフマニノフ・ホールの舞台に立った若い音楽家達は、もうジュニアではなく成熟したアーチストです。今やすでに彼らは、本格的なコンサート活動をする用意ができています。彼ら一人一人には、それぞれ大きな個性があります。私達のコンクールで最も肝心なのは、どんな賞を取ったかではありません。私達の音楽家各人が、まさに並外れた才能なのだということです。」
次回のコンクールは、2年後に開かれる。その間にまた、新しい才能が育つだろう。モスクワでの国際ジュニア・ピアノコンクール「Grand Рiano Competition 」への参加希望者は、今後もどんどん増えてゆくに違いない。