夏、アニメファンたちは「アニメ・オープン・エア」に集まる。今年、このイベントは10年目を迎える。「アニメ・オープン・エア」は毎年2日間にわたって開催され、アニメファンたちは青空の下、テントを張り、音楽に興ずる。ペテルブルグにあるアニメオタクたちのためのネットショップ「アニメ・ポイント」は、東洋ポップカルチャーのプロダクトを扱う最大規模のショップだ。このショップは最新のアニメ、漫画、おもちゃ、おみやげ、メーク、コスプレ・グッズを求める若者で常ににぎわっている。
ロシア人がアニメのメインストリームと最初に出会ったのは1980年代末、いわゆる「ビデオブーム」まっさかりの頃だった。このとき、自宅にビデオ再生機を持っていた市民にはアニメを見ることが叶ったのだ。中でも最大の人気を誇ったのがSFロボットアニメ「ロボテック」、「戦国魔神ゴーショーグン」そして「魔法使いサリー」だった。1996年にロシアのTV画面に初めて「セイラームーン」が登場。大多数の西側諸国とは異なり、ロシアでの「セイラームーン」はほぼ検閲ぬきで放映されたため、視聴率は一層高まった。そしてこの頃から、大々的に「オタク」が誕生し、この人たちがロシア各地で独自のクラブを組織し始めた。
5月12日、モスクワのルジニキにあるコンサートホール「ロシア」ではより大規模なファンの祭りで、東洋の渾然一体となった文化のファンたちが集まる「ロシア・アジアフェスRAMF 2016」が開幕する。ここはロシアとアジアのカルチャーが一体となり、互いを補い合う場でイーストカルチャーの熱きファンたちが一堂に会して、互いの姿を見せ合う。子どもも大人も「スーシィ(寿司)」品評会やらアジアンメイクやらのマスタークラス、コスプレコンクール、サイバースポーツ競技まで、なんでもござれに参加しまくり、大活況を呈する。