サハリン大学経済・東洋学研究所東洋言語学部のオリガ・シャシキナ部長は、スプートニク日本の取材に次のように答えた-
「コンクールは、今年が初めてではありませんが、今回は、新しい参加者がありました。それは日本で言う,小中、高等学校の参加者です。彼らは、自分達自身で準備をし、全く自由にテーマを選びました。自分の家族について話した生徒もいましたし、「子供に対するガジェットの影響」「ロシアと日本の学校生活について」「行動におけるヨーロッパと日本の規範の違い」「日本人の長寿の秘密」など、テーマは幅広く様々でした。
コンクールの規則に従って、参加者達は、5分間、選んだテーマについてメッセージを伝えた後、審査員達の質問に答えなければなりませんでした。審査員には、ユジノサハリンスク駐在日本領事館の職員や、北海道やロシア外務省の代表、サハリン日本センターの指導者達が含まれていました。審査員達は、発音や自分の考えを伝える能力、発言の内容、その信頼性などいくつかの基準によって参加者の優劣を判断しました。」
サハリンでの日本語学習は、もう幼稚園の段階から始まっている。今回は「ザルニチカ」幼稚園の生徒達も参加して、コンクールに花を添えた。園児達は、ロシアの昔話「大きなカブ」を日本語で披露した。サハリンでは、第9公立学校やユジノサハリンスク第1ギムナジウムなど、だいぶ以前から、日本語の授業がカリキュラムに入っている。そこでは、1年の段階からもう、日本語学習が始まる。こうしたユニークな経験には、日本人自身も大いに興味を持っている。例えば、コンクールが開かれる少し前、日本語教育の経験を取り入れる目的で、ユジノサハリンスクを立命館慶祥高等学校の代表達が視察に訪れた。
第9学校では、およそ150人が日本語を学んでいる。生徒達は自主的に、またしばしば両親のアドバイスで、1年生の段階からすでに第一外国語として日本語を選択している。この学校では、低学年の日本語クラスは、ゲームのような形で行われている。子供達は、折り紙を折ったり、学用品の中から漢字を集めたり、日本の詩歌のコンクールに向け準備したり、日本の歌を歌ったりする。また学校は、コリア語や中国語学習のチャンスも与えている。立命館慶祥高等学校の代表達は、将来、自分達の学校から、ユジノサハリンスクへ交換学生を送ることもありうると述べた。
ではサハリンでは、生徒や親たちの間でなぜ、日本語学習熱が高いのだろうか? それは、大学進学や将来の仕事のために、日本語ができることは有利だからだ。このことは、コミュニケーション文化をより良いものにするし、ロ日関係の未来にとって極めて重要なことだ。なぜなら学んでいる言語が話される国の文化に対し、寛容な態度が育まれるからである。