右派の指導者たちは必死に権力を維持する方法を考え始めた。韓国は大統領共和国であり、大統領選挙は極めて重要だ。5月末には、国際的なフォーラムに参加するため、パン・ギムン国連事務総長が故郷を訪れた。氏はあと半年弱で国連事務総長の職を降りる。このため、韓国のメディアは、惑星最重要の外交官の個人キャリアに最大の関心を示している。パン・ギムン氏はかなり露骨に、任期が満了した後、おそらく韓国の大統領に立候補するだろう、とほのめかしている。韓国の右派は自陣から元事務総長が出馬することを期待している。しかし、氏自身、右派を率いる準備ができているかどうか?スプートニクは韓国外交官時代からパン氏を知る経済研究所朝鮮研究プログラム長ゲオルギー・トロラヤ氏に話を聞いた。
「実際には、韓国を訪問した後、パン・ギムン氏はすでに噂を反証している。そして、これは自然なことなのだ。なぜなら、有権者を失望させないためには、明確な何かを言い、選挙運動を開始するには時期尚早だ。大統領選挙までまだあと1年と半年ある。しかし、そのような野心は、彼には昔からある。現在の与党セヌリ党にそれなりの候補者がいないとなれば、パン・ギムン氏はたしかにある種の藁になろう。」
少なくともここひと月半ほど、多くの人が真剣に、これまでも大統領候補と考えられていた国連事務総長の参加の是非そのものが選挙の大勢を決める、と考えている。
「パン・ギムン氏は慎重で紛争を好まぬ男であり、韓国では多くの人が、彼がバランスのとれ、落ち着いた政策をとることを望んでいる。その間対外的な冒険を休み、経済状況を改善することができる。したがって、パン・ギムン氏はたしかに与党にとって、非常に鮮烈ではないかもしれないが、悪くない選択肢だ。鮮烈な候補は今のところ現れていない。しかし、一番の長所は、少なくとも、この人なら反対派の激しい拒絶反応を引き起こさないということだ。反対派はそれでも批判の理由を見つけるではあろうが。それでも、パン・ギムン氏ならば大きなスキャンダルはなしで済まされることが期待される。韓国では選挙レースにおけるブラックPRの主な手段は汚職スキャンダルだが、パン・ギムン氏は掘っても何も出ないだろう。」
これまで右派は高齢の党員キム・ムソン氏を推すと見られたが、4月の敗北の責任がこの人物にのしかかり、もはや彼には見込みがないことが分かった。野党はこれより若干よい状況だ。2人の野党指導者、ムン・チェイン氏とアン・チョルス氏は互いに激しく争っている。この競争により左派は「共に民主党」と「国民の党」の二つに分裂した。ただ、この分裂は克服される可能性が高い。