モディ首相の米訪問に向けて:インドは反中同盟に加わる用意はない

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インドは中国と張り合うために米国との同盟を強化する用意がある。世界のマスコミは、6月7-8日に予定されているインドのモディ首相の米訪問を前に、このような予測をした。だがロシア戦略研究所のボリス・ヴォルホンスキー専門家は、このような予測を信じないよう呼びかけている:

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インドと中国の関係は実際のところ非常に複雑だ。1962年の戦争以来、両国は領有権を主張し合っている。さらにインドと中国はアジアおよび世界における指導的地位を競っている。この状況の中でインドは中国とのバランスをインドにとってより良好なものとすることができる外部の力を探している。冷戦時代、そのような力となっていたのはソ連だったが、今インドの視線は米国へ向いている。なぜなら今日グローバルな政治の決定因子となっているのは米国と中国の対立だからだ。米国は、中国の周囲を囲む自国の同盟国にインドを含めることに関心を持っている。一方でインドの政策は常にいかなる同盟にも加わらないという非同盟の原則に基づいていた。モディ首相の米訪問を前にした今、特に米国の政治家やマスコミの動きが活発化した。例えば、米議会が同国製兵器の購入についてインドにNATO加盟国と同等の権利を付与するのを決定したことを思い出すことができる。米国は、新型兵器の主要輸出国の座からロシアを追い出そうとしている。そしてインドにある種の特恵を与えるというこのやり方は、この方面でも言うまでもなく機能している。

スプートニク:明らかに米国は、インド市場への兵器進出にとどまらず、インドをロシアと中国から引き離そうとするだろう。インドはどのような行動を見せるだろうか?

ヴォルホンスキー氏:私は文字通り最近インドの軍人や外交官と会って数回話をした。それによると、ロシアとインドのパートナーシップ発展路線が維持されるのは明らかだ。インドは上海協力機構への加盟案を拒否しなかった。上海協力機構もインドを受け入れる構えであり、恐らく近いうちにタシケントで開かれるサミットで(そうなる可能性がある)。その後、この統合フォーマットは新たな響きを得てユーラシア全体にとっての統一の中心となり、イランをはじめとした他の諸国の加盟にも開かれたものとなる。これは上海協力機構を基盤に、TPPに対する反撃の要素となる経済的および政治的な統合フォーマットをつくるのを可能とする。

スプートニク:インドが米国との関係を発展させて中国にある種のシグナルを送ろうとしている可能性がある。だがインドは米国のために中国との関係を悪化させる用意があるのだろうか?

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ヴォルホンスキー氏:まずインドと中国は、互いに対して大きな不満を持ちながらも、パートナー関係をどのようにして発展させることができるかという例を示している。中国は米国とアラブ首長国連邦と並んでインドの貿易経済パートナー上位3カ国に安定して入っている。さらにインドは中国の投資とノウハウに大きな関心を持っている。例えば高速鉄道網だ。なぜなら中国は同分野で非常に大きな経験を有しているからだ。高速鉄道を使って自国の地域や、例えば中央アジアのような国々と結ぶのは、今インドにとって自国の経済を発展させるための優先課題となっている。

スプートニク:米国は、インドを反中戦線に引き込むために日本を誘い込んだ。日本はその役割をどれほど効果的に果たすことができるだろうか?

ヴォルホンスキー氏:日本とインドのパートナーシップは、まずテクノロジー分野で発展しており、両国の利益に基づいている。軍事技術協力分野で印日関係が親密になるための基盤もある。それは中国に対する共通の警戒心だ。だが最近のシグナルは、インドが中国とその隣国の間で発生する恐れのある紛争に軍事的に参加することには関心を持っていないことを物語っている。1年半前にオバマ大統領がインドを訪問した時の米印共同声明では、南シナ海のテーマに大きな関心が払われていたが、モディ首相の米訪問を前にした今、同テーマは米国の声明でもインドの声明でも述べられていない。インドにとっては同国内で活動するテロリストのほうが、はるかに大きな脅威だ。

 

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