東軍管区広報官のアレクサンドル・ゴルデーエフ大佐はマスコミに対し、第2次世界大戦中、マトゥア島には日本の守備隊がおかれ、飛行場、防御施設が建設されていたとして、次のように語っている。
「丘の斜面やサルィチェグ火山のふもとが調査され、日本軍の地下防御施設のバリケードが除去された。それぞれの地下施設で作業開始前に空気サンプルが採取され、有毒物質の有無が調べられた。詳細な調査の結果、地上および地下の防御施設、また防御地区全体の詳しい見取り図が出来上がった。この島には地下壕、3本の滑走路、ヘリポートがあるほか、9つのトーチカが残されていた。アイヌ湾付近の調査が終わったが、ここはおそらく第2クリル守備隊司令部と大隊の拠点が置かれていたとされている。現在、ドヴォイナヤ湾で沿岸部に空挺部隊の大きな船が寄港する際の開けた場所を準備するため、工事が行われている。沿岸部にある巨礫や崖から落ちた岩などを除去する作業はこれからだ。調査を行った沿岸部の全長は300キロあまりに達した。」
イトルゥプ島、クナシル島では466の軍事施設の建設が予定。同時に住居、学校、保育園、スポーツ施設、文化施設、銀行、郵便局、カフェ、様々なサービスセンターといった社会インフラも作られる。この他イトゥルプ島では気象ステーションを備えた港湾施設も建つ。これら全ては地元の気象的特徴を考慮したもので、震度9の地震にも耐えられ、100年以上はもつという。ショイグ国防相によれば、クリル諸島および北極の諸島での軍事インフラ建設は今年中に終わる。情報サイト「ポリトルシア(РolitRussia.com)」はロシア東部における軍事力強化の必要性について、次のように説明している。
「ロシアの西の国境に比べ、東方のアジア方面の地政学的状況は複雑でより多くの紛争を内包している。西ではほぼ全てがロシアとNATOの対立に集約されるのに対して、アジア方面ではほぼ全ての国が隣国に歯をむいている状態だ。つまり紛争が引き起こされる原因はずっと多い。しかもこの地域では大型プレーヤーの米国と中国の対立がますます目立ってきている。」