日本のパートナーらにとってロシアとの協力で最も魅力の高いのは農業、港湾インフラ開発、運輸ロジスティックスだ。最初に進出した日本企業はすでに投資の新たな条件を利用し、独自のプロジェクトを始動させている。極東では日本企業と合弁ですでにいくつかの投資プロジェクトが実現化されている。その数例を挙げるとウラジオストク自由港の枠内での積み替え用特殊施設(投資額は約10億ドル)、住友商事による沿海地方の材木加工工場の稼動(投資額はおよそ40億ルーブル)、サハ(ヤクート)共和国の先進発展領域(TOR)「カンガラスィ産業パーク」内での緑黄野菜の通年栽培用温室の建設、そしてTOR「ハバロフスク」への投資した日露合弁企業JGCエヴァーグリーンの温室がある。
日本企業は海産物の保存、加工の経験も分かち合う構え。冷凍冷蔵設備で有名な前川製作所の田中嘉郎代表取締役社長も会談でカムチャッカ、サハリン、沿海地方に冷却用の最新のインフラを作ることへの関心を示した。日本人はまた極東のロシア冷凍艦隊の刷新にも参加する構えだ。
ガルシカ極東発展相は日本側に対し国際運輸回廊の創設への参加を呼びかけた。この回廊は年間4500万トン以上の貨物輸送を見込んでおり、ガルシカ極東発展相はプロジェクトへの投資利息は少なく見積もっても年間10%になると語っている。
さらにもうひとつ、日本のパートナーらが参加の意向を表したプロジェクトは北極海航路を使った液化天然ガスの輸送だ。この回廊は将来、世界の主たる輸送回廊になるチャンスを秘めている。
外国人投資家にはロシアでの様々なプロジェクトへの投資の評価が難しいことがままある。だが今回は日本ロシア経済委員会極東分科会の田渕 正朗会長も指摘したように、ロシア側は日本側にただちにIRRなど、重要な経済指標を提出した。田渕氏はこうした指標のおかげで日本側はロシアの提案をより迅速に検討し、決定を出すことができると語っている。