「資本金１円で会社をつくる」というユニークなシステムは日本政府が中小企業支援のために２００３年に作ったもの。現在「日本留学センター」はロシア人スタッフ５人を抱えており、日本への留学に送り込んでいる学生の数は３００人。
「日本留学センター」長のエレナ・イワノワさんは日本とロシアの市場のビジネスについてスプートニクのアンナ・オラロヴァ記者からのインタビューに応じてくださった。
スプートニク：日本で会社を立ち上げるのは難しいでしょうか？
「日本でビジネスを開くのは難しくないですね。今は１円からでも会社を作れる制度がありますし、それに日本留学センターはお金の投資も何も要らないので、２０００円で日本語学校の電話カタログを買って、それで会社を始めたんです。最初の年は２０００円でした。難しいことはいろんな日本語学校をまわってロシアの生徒を受け入れませんかと尋ねることでしたが、難しいこともありましたが、楽しくもありました。」
日本へは１９９３年に語学学校で学ぶためにやってきたイヴァノヴァさんは、日本でもっとたくさんのロシア人学生が学んだらどんなにいいだろうと思ってきた。
「私はロシア人ですから、まさにロシアから大学生を招待するという事に関しては日本人にはない知識を持っています」と話すイヴァノヴァさんは、まさにロシア人学生の心理、モチベーションを知っているからこそ、ロシアでの留学サービス市場で成功を収めることができた。
「ロシアの人はどんな人ですか？ どんな目的で来られるんですか？ と例えば中国人の人と比べて、アルバイトしにきてオーバーステイにはならないのかと心配されましたが、ロシア人を日本語学校、大学の日本語学科に連れて行って、そこでロシアでの日本語教育の様子を話すことでロシアの学生がまじめだということを納得していただいて、ロシア人がクラスに入れば雰囲気も変わって、みんなまじめに取り組むようになると思われるようになりました。」
２００２年、ウラジオストク、イルクーツク、ハバロフスクで行われたセミナーのおかげで「日本留学センター」を通じて日本へ初めての１０人の大学生がやってきた。２０１３年、ロシアからやってくる研修員生の数は３０倍に増えた。ところがロシアからの学生の数はここ３年、ロシア国内で長引く危機から眼に見えて伸び悩んでいる。イヴァノヴァさんは「今やってくるのは真剣なモチベーションがあり、長期的なプログラムの人たちだけです。夏だけの短期留学は減りました」と語る。
現在、「日本留学センター」のロシア語のサイトgaku.ruには日本にある３００校の語学センターのうちの２０校の情報が掲載。ロシア人に人気なのは学費の高さにもかかわらず東京にある有名語学学校だという。日本で学ぶロシア人留学生は他の国の生徒と何ら変わらない。中国、韓国、ベトナム、米国、仏からの留学生と同様、勉強しながらカフェ、ホテル、お弁当屋さんの工場などでアルバイトをして稼ぎ、それを経て、大学へ進学している。その大半が新たな知識を得て、祖国へと帰国するが、日本企業に就職して残る人もいる。そして「日本留学センター」はそんな彼らに日本滞在中のアドバイスを行なうため、門戸を開いている。
