実際そうしたアプローチの方が、ずっと正しいのではないだろうか?
スプートニク日本のタチヤナ・フロニ記者は、雑誌「エクスペルト(エキスパート)」の経済問題評論員で金融アナリストのアンナ・コロリョワさんに意見を聞いた —
「実際のところ、ランク付けの際、政治的要素が加味されることがよくある、しかしそうした現象には独自の特殊性がある。つまり、直接何かを押し付けられているとは言えないということだ。格付け会社には、直接的な政治的圧力は加えられてはいない。けれども会社は、国内市場そして、何よりも欧米の投資家の利益になるよう、行動している。また彼らは、基本的に、欧米の主要投資家達の関心を引き付けるような指標を念頭に置いている。そこから、そのまさに『政治化』という見方も出てくるのだ。さらにそこには、ニュース的背景や地政学的な状況が付け加わる。
今彼らは、ある会社にとっては撤退しなければならなかったロシア市場を、うらやまし気に眺めている。一方、彼らの代わりに現在ロシア市場に入ってきた会社には、制裁後に入ってきたり、あるいは戻ってくる会社に比べ、巨大なハンディキャップがある。」
中国の格付け会社Dagongのグァン取締役会長は、欧米諸国は、自分達の利益を守るための道具として、クレジット・ランキングを利用していると考えている。2008年の金融危機が、多くの点で、不当な評価に関連した住宅ローン危機により呼び起こされたことは明白だ。
「そうした見方に対しては、もう大分以前から、誰も疑いを持っていない。 危機の火元が取り除かれた後、欧米では、格付け会社に対する大掛かりな数々の調査が始められたが、それには理由がある。会社も、自分達の格付けにより、かなりの出費を被ったからだ。これはもう、世界の金融市場の歴史と言ってよい。おまけに調査は、現在に至るまで続いている。会社の評判を左右するリスクがあるため、格付け会社は、自分達の失敗を隠さざるを得ない。船の内部で自分の位置を強く主張するためにだけ、時折、巨大な出費も余儀なくされている。失敗のコストとはそうしたものだ。」
中国の格付け会社Dagongは、1994年に設立された。国とは公式の関係は持っていない。Dagongは、同社のサイト上にある説明によれば、米国の格付け会社の独占を崩すために、2010年、独自の格付け機関を持つにいたった。