福士さんはおとなしいロシア人ルームメイトと2人で寮に住んでいたが、ある日突然ルームメイトの母親が部屋に転がり込んできて、3人で生活することになった。聞けばルームメイトの母親が、モスクワ教育大学で働くことになったためだという。たまたま福士さんたちの部屋は3人部屋だったので、そこに住むことになったのだ。福士さんは居心地の悪い思いをしたという。
しかし、良いこともあった。2人ともロシア人の友人をたくさん作ることができたのだ。留学すると外国人ばかりが集まるクラスに入れられ、結局現地の友人ができなかったということはよくあるが、福士さんは教会で、西村さんは日本語会話クラブ・ラマーシュカ(日本センター主催。日本語を学ぶロシア人が、日本語で日本人とコミュニケーションをとる)で多くのロシア人と知り合い、仲良くなった。友人たちとはこれからも関係を続けていきたいという。
多くの留学生が指摘しているように、生活にかかるお金が少ないことも、モスクワ滞在の利点の一つだ。
西村さん「留学後半の数ヶ月、部屋を借りていましたが、東京と比べれば安かったです。日本では外国人が部屋を借りるとなると障害がありますが、こちらでは『日本人なの!?よろしくね』という感じで、気軽に貸してもらえて嬉しかったです。部屋はインターネットで探し、仲介人の人が何件か物件を見せてくれました。そのプロセスは日本と同じだと思います。」
モスクワ留学のおかげで2人は随分たくましくなったようだ。福士さんはロシアに関係のある仕事をしたいという夢があり、西村さんは残りの学生生活を利用して、ロシアの他の都市を訪れたいと希望している。
福士さんと西村さんのフル・インタビューはサウンドクラウド「トーク・雑談」コーナーの「ロシアに住む日本人とおしゃべり:たくましい神戸大学からの留学生、ロシアの思い出を語る」をお聴きください。