クリル・マトゥア島に太平洋艦隊の基地を置くのに障害はない

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「クリル列島のマトゥア(松輪)島へのロシア太平洋艦隊の基地配備に向けた障害はないが、決定は、そうした措置が妥当かどうかを検討したのち下されるだろう」―ロシアの複数のマスコミは、匿名の軍事外交筋の情報を引用して、このように報道している。

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マトゥア島(松輪島)、太平洋艦隊の基地へと再生
また匿名の情報筋は、そうした決定を下すためには「問題点を評価した後、防衛優先方針に立脚して、基地配備の合目的性を全面的に判断する作業を行う必要がある。ただ大急ぎでするには及ばない。ここはロシア領である」と付け加えた。おそらくマトゥア島には、陸軍の部隊あるいは沿岸警備用艦船の基地が置かれるだろう。

スプートニク日本のタチヤナ・フロニ記者は、この問題について、新聞「軍事産業クーリエ」のコンスタンチン・スィフコフ評論員に話を聞いた-

「ロシアにとってクリル列島は、オホーツク海に入る入り口だ。その意味でマトゥア島は、カギを握る重要な位置を占めており、クリル列島全体をカバーする存在である。この島は、大変有利な状態を有している。駆逐艦級の艦船、あるいは少なくとも最初の段階としては小型ミサイル艇を係留できる桟橋、限られたものとはいえ船舶修理用、さらには空中から船舶やレーダーをカバーするための港を置くことができる。その他、飛行場や対空ミサイル部隊を置くことも可能だ。その後は、沿岸配備の中距離ミサイルあるいは短距離ミサイル中隊を配備することもできる。こうした事は、3年間で行えるだろう。

大規模な船舶修理基地や、現地に長期に滞在する人達のための住居、かなりの武器・兵器を保管できる倉庫、保守点検施設などを必要とするロシア太平洋艦隊の基地について言うならば、準備には、少なくとも20年かかると思う。しかし、この事は、軍事司令部の計画によって決められるだろう。」

ここで一つの問いが生じる。「もしロシア太平洋艦隊が、マトゥア島に配備されるならば、近隣の国々の不安を呼び起こすのではないだろうか?」というものだ。これについて、スプートニク日本記者は、戦略研究センターのイワン・コノワロフ所長の意見を聞いた -

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「ここで、日本政府が不安を感じる根拠はない。なぜならマトゥア島は、いわゆる『北方領土』には含まれていないからだ。ここでロシア指導部の立場を指摘することは重要である。マトゥア島は、ロシアと日本の間の交渉プロセスにおいて駆け引きの余地を残すために選ばれた可能性があるという点だ。 米国にとって、そうした基地の建設は、まして飛行場の建設は、この地域の軍事的政治的コンフィギュレーションを大きく変化させるものだ。なぜなら、ロシア軍基地の展開は、この地域において威容を誇る米国の軍事プレゼンスに対する非対称的な答え(つまり脅威をあたえるもの)となるからである。マトゥア島に飛行場ができれば、ロシアの長距離航空隊は、この地域で演習する機会を増やすことできる。米国は、この事を理解しており、おそらく米国側は、それに対抗して海軍力を強化するだろう。中国というファクターを考慮に入れるならば、米国は、他の国々との新しい軍事同盟形成に踏み出す可能性もある。すでに戦略的な同盟国である日本や韓国以外に、オーストラリアとの同盟関係が生じるかもしれない。」

なお先日マトゥア島では、ロシア国防省とロシア地理学協会との合同軍事歴史調査が終わったばかりだが、その過程では、1千件を超す調査が行われた。放射能及び化学物質の有無を調べる検査がなされたほか、地下も含め、島の防衛施設全体が詳細に調べられた。その結果、化学兵器や毒物、細菌兵器などが生産された痕跡や倉庫、実験室、倉庫など、そうしたものは一つも発見されなかった。

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