ソ連対日本のスコアは2対6。最後の試合にのぞんだのは日本が柔道の五輪優勝者で世界大会で2度の優勝経験を持つ岡野功、そしてソ連側はサンボ選手のボリス・ミシェンコ。この試合は歴史に残る名試合となった。岡野は自分の勝ちを疑っていない。この試合の結果は全体の勝敗にはもう影響しない。日本人応援団は岡野の勝利が親善試合を飾る華となると固唾をのんで見守っていた。
試合後、日本人たちは口々に言った。「代表団の勝利がなんだ。それより日本最強の柔道家が敗れたんだ。代表団が負けて、岡野が勝ったほうがよっぽどよかった。」