まず最初にご紹介するのは、情報分析ポータルネットIranianPolicyの政治評論員ショエイプ・バフマン(Shoeib Bahman)氏の意見だ。今回の悲劇の原因について、彼は次のようにコメントした-
「フランスに隣り合う国々の安全レベルは高くない。それが、テロリストらに、自由に移動し都合よく隠れるチャンスを与えた。このところフランス国内では、何度もテロ事件が起きている。ニースでの事件に対し、テロリストに責任があることは言うまでもないし、疑いもない。しかしフランス当局の政策自体も、この国の安全のレベルも、そしていくつかの宗教的また民族的少数派も、テロリストが自由に行動できるような土壌を作り出しているのが現実である。」
続いてスプートニク記者は、International Security Observatoryでテロリズムを専門にしているスペインのスペシャリスト、ホセ・マリヤ・ヒル氏に意見を聞いた-
このように述べたホセ・マリヤ・ヒル氏は「シリアやイラクでの紛争をうまく終わらせることができたとしても、それは、聖戦(ジハード)を掲げるテロの停止を意味しない」と指摘し、次のように続けた-
「聖戦を掲げるテロが、すでにイデオロギーであることを理解しなくてはならない。このイデオロギーは、インターネットを通じて広がっており、誰でもそれに関わることができるし、しかるべく行動もできてしまう。それはたいへん複雑で難しい現象であり、それと戦うためには、これまでのものに比べはるかに多くの努力と資源が必要となる。」
フランス国内でも、ジャーナリストらの中には「今回のような事件が起きた責任の一部は、当局の反テロ政策の非効率性、特に先に導入された非常事態が役に立たなかった点にある」と見る向きがある。スプートニク・フランスのインタビューに答えた左翼党のジョルジュ・クズマノヴィチ国際問題及び国防担当書記は、まさにその点に触れている-
ではどんな措置が、フランスにおけるテロリズムとの戦いにおいて効果的なのか、という問いに対し、クズマノヴィチ書記は、次のように答えている-
「多くの効果的な措置がある。まず第一に、我々が常に提案してきたこと、つまり情報収集強化の必要性だ。この事については、7月5日付けの議会報告の中でも述べられている。それ以外に、ワッハーブ主義のイデオロギーを持つテロリストを援助している国々、つまりサウジアラビアやカタールに対し、またエルドアン大統領を通じて、ダーイシュと秘密で怪しげな関係を今もまだ維持しているトルコに対して、明確で真剣な措置を講じることである。そしてさらに、サラフィー派や自らの目標達成のためには暴力行為も辞さないグループの礼拝所に対し、しかるべき措置をとり、わが国での彼らのプロパガンダを禁止する必要がある。」