モスクワ大学政治学部の教授でロシア安全保障会議付属科学評議会のメンバーでもあるアンドレイ・マノイロ氏は、今の状況について次のようにコメントした-
「日本人がスパイ活動をしたはある。なぜならこのようなチャンネルをあらゆる国の諜報機関が利用しているからだ。もしそうだとしたら、もちろん彼の任務には諜報員と会うことも、何らかの機密情報を渡すことも含まれていない。このような人たちの任務は、政治エリートや様々なポストに就いている特定の役人たちの調査だ。一般的にそのような人々に関する書類はすでに存在している。豊富な経験を持つ諜報機関の職員であれば、人物の完全な心理的肖像画を描くために2-3回個人的に会うだけで十分だ。知られているように、中国は今汚職対策を実施している。そのため、もし役人の評判を落とすようなデータが存在した場合、これはその人物を自分の側に引き入れるための前提条件となる。一方で一般的にこのような種類の出来事は、常に国同士の間で行なわれている政治ゲームに関わっている。そのため中国当局の行動が両国の領有権争いと関係している可能性も排除してはならない。関係が悪化したり、あるいは故意に悪化させる必要がある場合、通常は対立する側の人間がスパイ容疑で拘束され、時にそれは後に追放、PR効果、またマスコミへの違法行為に関する情報漏洩などを伴うことがある。そしてこれは、圧力をかけるための効果的な手段となっている。例えば、双方が何らかの出来事に関係しており、何かしらの考え方や価値観、また相互理解や交渉の調整を求めていることなどを発表しているとする。スパイの拘束は、一方の側に他方をフェアプレーではないとして非難するチャンスを与える。すなわち事実上、相手を騙しているということだ。そしてこれは関係発展にとって深刻な影響を持つ可能性がある…」
以前、中国人や外国人が旅行で訪れる中国の南ジ島で日本人が拘束された。中国のマスコミは、観光客の中に中国が2014年から島で建設を始めた軍事施設に関心を持つ外国のスパイがいる可能性があると報じている。多くの専門家たちは南ジ島について、島からわずか300キロの尖閣諸島周辺での日本の船舶の移動を監視する場所として非常に便利だとの見方を示している。