天皇陛下は美しく去ることを望んでいる

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7月13日に報じられた日本の今上天皇である明仁天皇が生前退位の意向を示されているというニュースは、日本でセンセーションを巻き起こした。なぜなら現行の皇室典範(皇室などについて定めた法律)には生前退位の規定がないからだ。

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宮内庁 天皇陛下が生前退位の意向という報道を否定
なお最初のメディア報道では生前退位についてのある種の正式発表は12月以降になる可能性があるとされていたが、最近日本の大手紙「読売新聞」と「日本経済新聞」は、8月8日にも天皇陛下がテレビ中継などを通じて自身のお気持ちを国民に表明されることが検討されていると報じ、これもセンセーションを呼んだ。

首相官邸も、太平洋戦争終結の日の8月15日よりも前に意向を表明したいという天皇陛下の思いを確認したという。今上天皇をこのような決断に向かわせたのは、70回目の終戦の日にあたる2015年8月15日に開かれた全国戦没者追悼式で、天皇陛下が段取りをお間違えになられたことだったという。NHKは、天皇陛下は「象徴としての務めを果たせるものが天皇の位にあるべきで、十分に務めが果たせなくなれば譲位すべきだ」というお考えだと報じた。なお1945年8月15日に今上天皇の父親である昭和天皇による終戦の詔書がラジオで放送された。そして今は来るべき意向表明のテキストをめぐる「戦争」が行われている。しかし「退位」という言葉が述べられることは恐らくないだろう。なぜならこの概念は現行の皇室典範にはないからだ。

ロシア科学アカデミー極東研究所日本研究センターのワレリー・キスタノフ所長は、現在の状況について次のようにコメントしている-

「私は、天皇陛下はまず国益、そして部分的にご自身の健康のためにお気持ちを表明されると思っています。天皇陛下御自身が、これ以上は日本国の象徴であり日本国民統合の象徴という天皇の務めを十分に果たすことができないことを認められました。政治的権威を持たない天皇は、外交団の接遇、信任状の受理、外国賓客の接遇、外国訪問など、代表者としての一連の務めを果たしています。なお天皇陛下の外国訪問は、日本との関係が良好な国とそうでもない国を明らかに示しています。これらの務めを82歳の御方が全て行うのは大変なことです。しかも天皇陛下は大きな手術を2回受けられています。天皇陛下の退位のご意向はご立派で美しく、『老いぼれ』の象徴だとは感じられません。純粋に人間としてよく理解できます。」

終戦の日:天皇陛下「深い反省」 - Sputnik 日本
終戦の日:天皇陛下「深い反省」
日経新聞の世論調査によると、回答者の77パーセントが天皇陛下の生前退位を認めて新しい制度をつくるべきだとの意見を表した。すなわち日本社会にはそのような理解があるということだ。明仁天皇は穏やかでお優しいお人柄だが、強い意志をお持ちだ。天皇陛下はかつて数世紀にわたる伝統に反して初めて民間人とご結婚された。福島第1原子力発電所事故を引き起こした2011年東日本大震災の時には、放射能拡散の危険性から東京から離れるようすすめられたものの、住民たちと一緒に残ることをご決断された。さらには国民に向けて前例のないメッセージを発表され、被災者たちを励ました。明仁天皇の父親の昭和天皇は、1946年に「現人神」を否定した。そして今、明仁天皇は、天皇とは単なる役目ではなく、穏やかな老後を送り、自分の人生を自分で決める権利を有する人間であることを証明しようとしている。

一連の政治学者たちは明仁天皇が生前退位する可能性を日本の政治的変化と性急に結びつけた。7月の参議院選挙で3分の2以上の議席を獲得した安倍首相は、自衛隊発展の足枷となっている平和主義的規定を取り除き、憲法改正に取り組むことができる。基本法と元首に関する規定が改正される可能性も排除されていない。憲法によると日本は今、立憲君主制でも、事実上はそうである議会制共和国でもない。日本が立憲君主制になるとしたら、その最初の天皇となるのは56歳の徳仁皇太子だ。だが、このようなシナリオが実現するか否かは、実生活が教えてくれるだろう。

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