又、恒例となった北朝鮮のミサイル実験を背景に、米国防総省が、太平洋地区に10年ぶりに機動戦略爆撃機B-1Bランサーの飛行中隊を派遣する意向である事が明らかになった。
またストルィピン及びシュトルーベ記念リベラル・保守政策センターの所長で、政治学者のアレクサンドル・カザコフ氏は、ラジオ・スプートニクに出演した際「米国と日本が強く主張するのは、北朝鮮への制裁強化ばかりではないだろう」との見方を示した。
カザコフ氏の見解を、以下まとめてお伝えしたいー
北朝鮮の体制が、そもそも事前に予想のできないものだという現在の状況では、日本と米国が持ち出す議題は、より厳しいものとなるのではないかと推測する。つまり制裁だけではなく、北朝鮮に武力による圧力がなされる可能性があるという事だ。しかし西側は、北朝鮮の指導者は、カダフィでもフセインでもないことを考慮することになるだろう。ここ10年から15年、米国は、まず行動し、その後で考える、ユーゴスラビアから始まって一つ一つそうだった。
もし米国が今後、力を用いたバリエーションを強く主張するなら、ロシアは恐らく国連安保理事会で拒否権を行使するだろう。ロシアと共に、多分中国も同調するに違いない。
しかし、それでは不十分だ。交渉の必要がある。もし北朝鮮当局のもとに、日本領海ばかりでなく本土まで届くようなミサイルが生ずるなら、状況は、コントロール下から出てしまう。以前は誰も、北朝鮮が、そうしたミサイルを製造できるとは信じなかった。
北朝鮮に核兵器があるかどうかについて言えば、米国の専門家らも、答を出すことはできていない。米国がイラクを攻撃した時、米国は『ダーティなもの』も含めてサダム・フセイン政権には、核爆弾はないことを知っていた。 北朝鮮について言えば、彼らは、そうした兵器を保有しているかどうか発表する責任を負っていない。もし北朝鮮が、そうしたものを持っている場合、交渉し、ピョンヤン当局を説得できるのはロシアあるいは中国当局だけだ。 ロ中は、本気でそうした交渉を行うだろうが、それらは公表されない可能性があると思う。なぜなら、北朝鮮当局にとって、この問題は大変デリケートであり、自分達は説得されたと世界に見られたくないと思っているからだ。」